湿気の多い時期や、しばらく使ったタオルを放置してしまったときに、いつのまにかタオルにカビが発生していることがあります。タオルのカビは見た目が良くないだけでなく、呼吸器系の疾患やアレルギーにつながる場合もあるので、カビを見つけたら早めにカビ取りを行いましょう。
当記事では、タオルのカビを取る方法とカビの原因、予防法を解説します。毎日使うタオルを清潔に保つために、タオルのカビについての知識を身につけておきましょう。
1.タオルに生える黒カビとは?
黒カビとは、湿度の高い場所に発生しやすい好湿性真菌の1つです。正式名称は「クラドスポリウム」で、黒や深緑色の斑点状の見た目をしています。
黒カビは本来土の中で繁殖しますが、胞子が軽いため空気中を漂い、家の中にも容易に入り込みます。繁殖力が高いため、こまめに掃除をしないと、洗濯物やエアコン内など屋内のさまざまな場所で発生します。
普通の洗濯では落としにくいのも黒カビの特徴です。特にバスタオルやフェイスタオルなどに発生した場合、繊維の中に菌糸を伸ばして繁殖するので、漂白や煮洗いといった特別な処理が必要になります。
1-1.タオルに黒カビが生える原因は?
タオルに黒カビが生える原因としては、以下の4点が挙げられます。
・タオルを湿ったまま放置する
タオルを使ってから洗濯するまでに時間がかかると、湿度が高い状態で長く放置することになります。黒カビは湿り気のある場所を好むため、繁殖を促進してしまいます。
・毎日洗濯しない
手や体などを拭いた後のタオルには、きれいに見えても皮脂や石鹸カス、汚れ、雑菌などの黒カビの栄養分が付着しています。カビの発生を予防するためには、使用後に毎回洗濯することをおすすめします。
・湿気が多い
黒カビは、湿度が80%以上のときに発生しやすくなります。また、20度以上で特に活発になるため、高湿・高温になる5月から9月頃は、黒カビにとって繁殖しやすい時期と言えます。
・洗濯機にカビが発生している
湿度の高い状態が続く洗濯機内は、黒カビが発生しやすい場所の1つです。黒カビが繁殖した洗濯機で洗濯をすると、洗濯物にも胞子が付着します。きれいに見える洗濯槽も、裏側にはカビが大量に発生していることが多いので、定期的にカビ取りを行いましょう。
1-2.黒カビの健康への影響
タオルに黒カビが発生すると、見た目に不衛生なだけでなく健康へのリスクが高まります。カビの胞子は、アレルギーや呼吸器疾患の原因になります。くしゃみや鼻水を引き起こしたり、喘息や気管支炎などを悪化させたりする恐れがあるので、十分な注意が必要です。
さらに、黒カビが生えたタオルが肌に触れると、皮膚のトラブルを引き起こす可能性があります。雑菌による感染症のリスクも高まるため、免疫力の低い小さな子供やお年寄りがいる家庭では、特にカビ予防に気を配る必要があります。
2.タオルのカビを落とすには?
タオルに生えてしまった黒カビの取り方としては、漂白剤を使った付け置き洗いや煮洗いが挙げられます。除菌・殺菌力の高い塩素系漂白剤よりも、色柄物にも使える酸素系漂白剤がタオルのカビ対策としてよく使われます。
水をよく吸収するように作られたタオルは、黒カビが特に生えやすいアイテムです。カビの菌は繊維の奥深くまで入り込み、繊維や皮脂などを栄養にして繁殖するため、普通の洗濯ではなかなか落とせません。
また、黒い斑点が見えなくなって黒カビが落ちたように感じても、繊維の中に真菌が残っていることがあります。黒カビが再び増殖したり、他の洗濯物に移ったりすることを避けるためには、カビ菌を残さずしっかりと落としましょう。
2-1.付け置き洗い
酸素系漂白剤で付け置き洗いをすると、タオルの繊維に住み着いた黒カビを死滅させられます。黒カビは熱に弱い性質を持つため、水ではなくお湯を使うとさらに効果的です。
ただし、タオルが色落ちしないよう、漂白剤に付け込む前に洗濯表示を確認しましょう。漂白剤を使用できる繊維には、三角形のマークが描かれています。心配な場合には、タオルの隅など目立たない場所に少量の漂白剤を付けて確認すると安心です。
また、漂白剤は手肌への刺激が強いため、洗うときはゴム手袋を着用することをおすすめします。
(1)お湯を準備する | バケツなどに40度から60度程度のお湯を準備し、適量の酸素系漂白剤を入れる。 |
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(2)タオルをお湯に付ける | お湯にタオルを付けて、様子を見ながら30分から2時間程度放置する。 |
(3)タオルを洗う | タオルを水ですすぎ漂白剤を落としたのち、通常通り洗濯機で洗う。 |
2-2.煮洗い
酸素系漂白剤で付け置き洗いをしても完全に黒カビを取れなかった場合には、漂白剤で煮込む煮洗いを試すのがおすすめです。付け込み洗いよりも高温で除菌・殺菌できるため、黒カビを取り除けるだけでなく嫌な臭いも気にならなくなります。
煮込むときに、漂白剤に加えて洗濯洗剤や重曹を入れるとさらに効果が高まります。このとき、沸騰したお湯が吹きこぼれることがあるので注意しましょう。また、変色の恐れがあるため、アルミ製の鍋の使用は避けてください。
(1)お湯を準備する | 大きな鍋にタオルがしっかりとつかるほどのお湯を沸かし、適量の酸素系漂白剤を入れる。 |
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(2)タオルを煮込む | 弱火にして、タオルを箸などで軽く動かしながら3分から10分程度煮込む。 |
(3)お湯を冷ます | 火を止めて、素手で触れるほどの温度になるまで待つ。 |
(4)タオルを洗う | 冷めたらタオルを水ですすぎ、いつも通りに洗濯機で洗う。 |
3.タオルのカビを発生させない方法
一度生えると普通の洗濯では落としにくいタオルの黒カビは、できる限り予防することが大切です。カビを発生させない方法としては、タオルを湿った状態で長く置かないことや、タオルを洗う洗濯機を清潔に保つことなどが挙げられます。
以下で、自宅で簡単にできる黒カビの予防方法を解説します。
3-1.使ったタオルは放置しない
タオルを使った後に、濡れたまま放置せずすぐに洗濯すると黒カビの発生を予防できます。手や体、髪などを拭いた後のタオルには、水分だけでなく、カビの栄養になる皮脂や汚れなどが付着しています。
また、カビは湿った場所でより繁殖しやすいという性質があるため、使ったタオルはすぐに洗い、すぐに乾かすことを心がけましょう。
3-2.タオルはよく乾かして使用する
使用後のタオルをすぐに洗っても、濡れたままで長く置いておくと、黒カビが発生することがあります。洗濯槽の中に放置したり、かごや床に置きっぱなしにしたりせず、洗濯後にはなるべく早く乾かしましょう。
カビは、湿度が高くなるほど繁殖しやすくなるので、洗った後のタオルを完全に乾かすことも大切です。特に、日光に当てたり乾燥機を使って高温で乾かしたりすると、雑菌の繁殖を防げます。
3-3.洗濯槽のカビ取りをする
いくら洗濯方法に気を配っても、洗濯機にカビが生えていると、洗うたびに洗濯物にカビ菌を付けてしまいます。洗濯槽の裏側は、カビが発生しやすい場所です。見えない場所なので後回しになりがちですが、タオルの黒カビを予防するためには定期的に洗濯槽のカビ取りをすることが大切です。
洗濯槽のカビ取りは、洗濯槽クリーナーや漂白剤を使って行うのが一般的です。水を張り、規定量のクリーナーや漂白剤を入れてから洗濯機を回すことで、洗濯槽のカビ汚れを落とせます。
ナチュラルなカビ取り方法を試したい場合には、重曹を使うのもおすすめです。洗濯機を回すときに、洗濯物と洗濯用洗剤と一緒に少量の重曹を入れると、洗濯と同時に洗濯槽の掃除もできます。
まとめ
タオルの黒カビは、湿気が多いときや毎日タオルを洗わなかったときに発生しやすくなります。カビは見た目が気になるだけでなく、健康面にも影響があるので、タオルにカビが発生したら速やかにカビ取りを行いましょう。
タオルのカビ取りでは、酸素系漂白剤を使って付け置き洗いや煮洗いを行います。タオルを綺麗にするだけでなく、普段使っている洗濯機の洗濯槽にカビが発生していないかを確認することも大切です。
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