工場勤務の服装の基本
工場勤務の服装は、基本的に以下4つで構成されます。
1. 作業服
作業服とは、作業や労働に適した衣類の総称です。作業を安全かつ効率よく行えるよう、丈夫さや動きやすさに特化しています。
作業服のスタイルはいろいろありますが、ブルゾンにチノパンなどを合わせたセパレートタイプが一般的です。農作業などを行うときは上下がつながったツナギと呼ばれる作業服を着用するケースもあります。業種によっては難燃性や静電気防止など、特殊な加工を施しているものも採用されています。
2. ヘルメット、帽子
工場では作業中にさまざまな事故やトラブルが起こる場合があります。あってはならないことですが、可能性としては、作業中に棚から物が落ちてくる。高所から落下する、機械に巻き込まれるなどのケースが考えられるでしょう。
これらの事故やトラブルによる被害を最小限に防ぐため、工場勤務のお仕事はヘルメットまたは帽子の着用が義務付けられているところがほとんどです。
また、ヘルメットなどの保護帽の着用が義務づけられている作業も存在しがます。例えば工場で多用されるフォークリフトを使った荷役運搬機械取扱作業を行う際は、厚生労働省の通達による規定で保護帽を着用するよう定められています。(※)
※参考:厚生労働省. 「その保護帽(産業用ヘルメット)正しく使用してますか?」. “保護帽の使用区分別、着用が規定されている作業の種類”. p2.
https://jsite.mhlw.go.jp/nagano-roudoukyoku/content/contents/hogobou20210930-matsumoto.pdf(参照2023-11-4).
3. 安全靴
安全靴とは、つま先を保護する先芯や、滑り止めが付いた靴のことです。工場では重量のあるものを取り扱ったり、フォークリフトのような産業車両を運転したりすることも少なくありません。重いものを足元に落としたりフォークリフトのタイヤに踏まれたりしたときに足を保護できるよう、工場では安全靴を着用するのが基本とされています。
滑り止めが付いているので、床に水や薬品、油などがこぼれていても滑りにくく、転倒防止にも役立ちます。
4. グローブ
工場では、刃物やドリル、油、薬品などさまざまなものを取り扱います。素手で扱うとケガややけどを負う原因となるため、工場勤務では作業用のグローブを着用することが大切です。
作業の種類によっては突き刺し強度に優れたグローブや、耐油性・耐薬品性に特化したグローブが必要な場合もあります。
作業服を着用する理由
工場で作業服を着用する理由は大きく分けて3つあります。一つずつ見ていきましょう。
1. 作業時の安全を確保するため
工場で作業服を着用する1つ目の理由は、作業員の安全を確保するためです。
例えば、袖の長い服を着用したり、裾が広がったボトムスを履いたりすると、衣類の端が機械に巻き込まれる恐れがあります。動力によって駆動される機械に作業員の頭髪や衣類が巻き込まれる恐れがあるとき、労働安全衛生規則第110条によって、作業員には作業服を着用させることが義務付けられています。(※)
※参考:e-Gov法令検索. 「労働安全衛生規則」. “作業帽等の着用 第百十条”.
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=347M50002000032, (参照2023-11-4).
たとえ機械を扱わない業務を担当している場合でも、近くを通ったときにうっかり巻き込まれてしまう可能性はゼロではありません。
作業服のデザインは、機械への巻き込みリスクをできるだけ抑えられるよう、絞った裾や、ボディラインに沿ったスマートなシルエットが採用されています。作業着を正しく着用すれば、現場で事故やトラブルに巻き込まれにくくなり、安全に作業を行えます。
※参考:e-Gov法令検索. 「労働安全衛生規則」. “作業帽等の着用 第百十条”.
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=347M50002000032, (参照2023-11-4).
2. 食品や製品の品質保持
工場で取り扱う食品や製品に異物が混入した場合、衛生面で問題が発生したり、不良品が出たりする原因となります。
食品や製品の品質に影響を与える異物にはさまざまなものがありますが、衣服から落ちる繊維もその一つです。特に、毛足の長い繊維を使用した衣類(ニットなど)を着用して作業すると、製造ラインに繊維が紛れ込むリスクが高くなります。繊維が混じった食品は当然廃棄になりますし、他の製品についても不良品扱いになる可能性が高いです。
また機械に繊維が入り込んだ場合、エラーが起こって製造ラインがストップしてしまうことも考えられます。
作業服は繊維が落ちにくい素材を用いている上、耐久性にも優れているので、食品や製品の品質保持に適した服装とされています。
3. 作業効率の向上
作業服は動きやすさを重視したデザインが採用されており、一般的な私服よりもきびきびと動けます。袖がずり落ちてきたり、ボトムスの裾が足に絡んだりしないため、作業の効率を高めることができます。
作業服を着るときの身だしなみのポイント
続いて、作業服を着用するときに押さえておきたい身だしなみのポイントを5つご紹介します。
1. 着用ルールを遵守する
工場では、安全面や衛生面などを考慮し、服装に関して一定の規定を設けている場合がほとんどです。例えば、シャツやインナーはボトムスにしっかり入れる、ボタンは上まできっちり留める、半袖や短パンは着用不可などのルールが一般的です。
作業服の着用ルールは工場によって異なるので、就業規則やマニュアルなどをチェックし、ルールや規則をきちんと遵守しましょう。
2. アクセサリー等は身に着けない
指輪やイヤリング、ピアスなどのアクセサリーを付けたまま作業をしていると、製品を傷付けてしまったり、製造ラインに混入してしまったりする恐れがあります。
結婚指輪などシンプルなデザインのものでも着用禁止としている工場が多いので、工場勤務の際は、アクセサリーはあらかじめ外していきましょう。アクセサリー以外にも、腕時計などの着用は原則としてNGです。
3. 作業服は清潔な状態を保つ
作業服が汚れていると、ゴミやホコリ、泥などが製品に混入するリスクが高くなります。食品を取り扱う工場では食中毒の原因となることもあるので、作業服は常に清潔な状態を保つようにしましょう。基本的には、一度着用した作業服は着回したりせず、小まめに洗濯することが大切です。
ポリエステルなど速乾性の高い生地を使用した作業服なら、寒い季節でも乾きやすく、着回しに便利です。
4. ほつれや穴、破れがないかチェックする
作業服は耐久性の高い衣類ですが、長期間着用していると、ほつれや穴、破れなどが生じることもあります。そのままの状態で作業を行うと、穴や破れの部分に機械が引っ掛かり、巻き込みのリスクが高くなります。
作業服を着るときは、あらかじめ生地に不具合や損傷がないかどうか確認し、ほつれや穴、破れなどが見つかったら必要に応じて修繕するか、買い替えを検討しましょう。
5. 髪はきちんとまとめる
長い髪を垂らしたまま作業すると、機械に巻き込まれたり、髪の毛が食品や製品に混入したりする可能性があります。髪の毛はゴムで結んだり、ヘアピンでとめたりして、きちんとまとめることを心掛けましょう。ヘルメットや帽子を着用している場合は、帽子の中に髪の毛を入れておくと安心です。
作業服を選ぶときのポイント
最後に、作業服を選ぶ際に押さえておきたいポイントを2つご紹介します。
1. 作業服のサイズは適切か
作業服のサイズは、大きすぎると安全性や動きやすさに影響があり、逆に小さすぎると窮屈でストレスを感じる原因になります。
作業服を着用する際は、自分の体型にぴったり合ったジャストサイズのものを選ぶことが大切です。作業服のサイズには、仕上がり寸法とヌード寸法の2種類があります。
仕上がり寸法とは作業服の実寸のことで、ヌード寸法とは作業服を着る人の体のサイズのことです。
例えば、胸囲75cmの人が仕上がり寸法の胸囲75cmの作業服を着た場合、ほとんどゆとりがなく、窮屈な着心地になってしまいます。
多くの作業服は仕上がり寸法を採用していますが、まれにヌード寸法表記になっているものもあるので、どちらのサイズ表記が採用されているか、必ずチェックしましょう。その上で、ご自分のヌード寸法よりややゆとりのあるサイズを選ぶのが基本ですが、作業服の中にインナーなどを着込む可能性がある場合は、その分のゆとりも考慮してサイズを選ぶ必要があります。
2. 機能をチェック
作業服は、使っている素材や加工方法によってさまざまな機能が付与されています。
作業環境や着用シーンに応じた機能が付いた作業服を選べば、快適性や利便性がより高まります。
例えば、工場内だけでなく屋外での作業も伴う場合は防風性の高いものを選び、水を扱う場合は耐水性に優れたものを選ぶと、作業時の快適性がアップします。
また作業服は比較的頻繁に洗濯するものなので、速乾性の高い生地を使用したものを選ぶことをおすすめします。
まとめ
作業服を着用するときは身だしなみのマナーを遵守することが大切
工場などで働くときは、作業員の安全確保や、食品・製品の品質保持、作業効率の向上などのために作業服を着用するのが基本とされています。
作業服を着用する際は、工場や会社が決めたルールを遵守すると共に、アクセサリー類を身に付けないことや作業服は清潔な状態を保つことなど、身だしなみのポイントもきちんと押さえておきましょう。
作業服を新たに購入する場合は、ご自分の体型に適したサイズのものや、作業内容に適した機能を備えたものを選ぶことが大切です。
CLA-T JAPAN(クラTジャパン)では、作業服に適したブルゾンやジャンパーのオリジナル制作を承っています。速乾性の高いポリエステル100%のブルゾンや、防風・防水性を備えたジャンパーなど、作業服に適した衣類を複数取り扱っています。会社のロゴを入れることも可能なので、工場などでの着用に適した作業服の制作を検討している方は、ぜひCLA-T JAPANのオリジナルプリントサービスをご利用ください。
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