近年持つ人が増えたエコバッグは、オリジナルのデザインのものを自分で作ることも可能です。エコバッグを作るとき、素材には複数の選択肢があるため、どの生地を選べばよいか迷ってしまう方もいるでしょう。
当記事では、エコバッグでよく使われる素材を特徴とともに解説します。中には使用時に注意したほうがよい点がある素材もあるため、使用するシチュエーションや好みのデザインになるかを考えながら、エコバッグに使用する素材を選びましょう。
1.オリジナルエコバッグが注目を集める理由は?
近年、多くの人がエコバッグを持参して買い物をするようになりました。実用的であり、おしゃれなデザインも多いことなどにより、エコバッグは注目を集めています。ここでは、エコバッグの需要が高い理由を解説します。
- ・環境にやさしい
- レジ袋ではなく、エコバッグを使うとプラスチックごみの削減となることから、エコバッグは環境にやさしいアイテムとして注目されています。レジ袋の使用量が減ると、製造や廃棄の過程で排出されるCO2に加え、原料となる原油量も減らせます。
- ・レジ袋代を節約できる
- エコバッグを使うとレジ袋代がかからず、お財布にやさしいことも魅力です。レジ袋有料化により、買い物の際にレジ袋を買うと1枚数円の料金がかかります。積み重なれば、金額も大きくなるため、節約目的でも需要が高まっています。
- ・普段使いのバッグとしても使える
- 近年のエコバッグは、ただの買い物バッグではなく普段使いができるデザインも多くあります。有名なブランドからもエコバッグが発売されており、手軽に購入できる価格帯のため、買い物バッグ以外の用途でも使用する人が増えています。
エコバッグの需要が高まっている中、購入だけでなく「自分で作る」というケースもあります。自分で作ると、さまざまなデザインを実現でき、使い勝手の良いオリジナルのアイテムを手に入れられます。
2.おすすめのエコバッグ素材8選
エコバッグの素材には、さまざまな種類があります。素材によって、特徴やメリット、取り扱いの注意点などが異なるため、用途に合ったエコバッグを選ぶことがポイントです。ここでは、人気の高い8つのエコバッグの素材について解説します。
2-1.ポリエステル
ポリエステル素材とは、石油や天然ガスから作られた化学物質を原料とする合成繊維です。とても丈夫で、型崩れや縮みが起きにくく、熱にも強い特徴があります。
ポリエステルのメリット・魅力
- 型崩れと縮みが起きにくい
- シワになりにくい
- 摩擦に強い
- 熱に強い
- 吸水性が低く濡れてもすぐ乾く
- 虫害を受けにくい
- 日焼けが起きにくい
- 天然素材より軽い
ポリエステルのデメリット・注意点
- 吸湿性が低い
- 静電気が起きやすい
- 耐火性が低い
- 毛玉ができやすい
ポリエステル生地の耐久性はエコバッグに生かされており、重たい荷物や濡れた食材を入れても問題なく使えます。
2-2.再生PET
再生PETとは、使用済みのペットボトルなどのPET製品を、容器や繊維などとして「再利用」したリサイクル素材です。プラスチックごみを減らすことができるため、資源の循環的な利用を目指すサーキュラーエコノミーの実現に有用とされています。
再生PETのメリット・魅力
- 自由に形状を変えられる
- 耐久性が高い
- 光沢や高級感がある
- 安い
- 軽い
- 腐らない
再生PETのデメリット・注意点
- 不要になっても分解されず自然界に残る
- 再生PETにする過程で費用や人件費がかかる
- プラスチックごみの回収、分別、保管で運送費や人件費がかかる
- 化学処理や洗浄の過程で、水資源や電気を使う
再生PETを使ったエコバッグを作ることで、環境保護にさらに寄与できます。
2-3.コットン
コットン生地のエコバッグは、とても丈夫で通気性があり、バッグの定番素材です。コットンのエコバッグは、重たいものを入れてもへたることなく、長く丈夫に使えます。見た目がおしゃれなトートバッグも多く、サブバッグとしても使用可能です。
ただし、水濡れには弱いため、雨の日の取り扱いには注意が必要です。
コットンのメリット・魅力
- 価格がお手頃
- デザイン性に優れている
- 耐久性と実用性を備えている
- 綿が素朴でナチュラルな印象を与える
- 重たいものを運ぶことができる
コットンのデメリット・注意点
- 水濡れに弱い
- 水に濡れる場合は防水スプレーが必要
2-4.ナイロン
ナイロンとは、石油を原料とする樹脂素材(合成樹脂)から作られた合成繊維です。スポーツウェア、アウター、釣り糸にも使われる素材で、耐久性の高さや速乾性があり、エコバッグにも適しています。
ナイロンのメリット・魅力
- 天然素材と比べて軽い
- 弾力性がある
- 耐寒冷性がある
- 吸水性が低い
- 汚れが落ちやすい
- 毛玉になりにくい
- 害虫やカビの影響を受けにくい
伸びがあり柔らかいだけでなく、破れにくいので重いものの持ち運びにも便利です。ナイロンの強度は、コットンの約10倍と言われているほど、強く頑丈です。
ナイロンのデメリット・注意点
- 熱に弱い
- 吸湿性が低い
- 静電気が起こりやすい
- 色褪せやすい
2-5.不織布
不織布とは、織っていない布のことです。通常の布は、糸や繊維を縦と横に織って作られています。しかし不織布は繊維を織らず、熱処理や化学処理で絡ませて接着をして作られます。
不織布のメリット・魅力
- 通気性がある
- 保湿性がある
- 吸水性がある
- さまざまな原料を組み合わせられる
- 織られた布よりも安価
- 端の部分がほつれない
不織布のデメリット・注意点
- 洗たくをして繰り返し使うことに向いていない
- 織られた布より耐久性が低い
不織布は、ポリエステルやポリプロピレンなど、さまざまな原料を組み合わせて作られます。
2-6.デニム
デニムとは、インディゴ染料で染めた縦糸と、染色していない白い横糸を使った綾織り生地です。労働者用のズボンとして使うことを前提に作られた生地ですが、現代では種類や使い方がさまざまあり、エコバッグにも使用されます。
デニムのメリット・魅力
- 生地がとても丈夫
- 破れてもリペアができる
- 長持ちする
- 使い込むほどに柔らかく馴染む
- 色落ちを風合いとして楽しめる
- 素材や厚み、加工方法によって特徴が変化する
デニムのデメリット・注意点
- 色移りする可能性がある
- 水にぬれると色が移りやすい
- 無加工の生デニムは、水を通すと大きな縮みが起こる
デニムのエコバッグは、季節を問わず通年使える便利素材です。家庭用ミシンでも手軽にデニムのエコバッグが作れます。
2-7.キャンバス
キャンバス生地とは、麻や綿で作られた平織りの厚手生地のことです。平織とは、縦糸と横糸を交互に組み合わせた布の折り方で、頑丈な生地に仕上がります。トートバッグとしても人気のある素材です。
キャンバスのメリット・魅力
- 厚手で頑丈
- 後付け加工ができる
- 強度があり通気性がよい
後付け加工には、糊付け加工、パラフィン加工、ラミネート加工があります。
糊付け加工 | 型崩れしにくくなる加工で、エコバッグに最適です。 |
---|---|
パラフィン加工 | 水を通しにくくする加工です。 |
ラミネート加工 | 防水性や手入れのしやすさがアップする加工です。 |
一方、キャンバス生地を活用するときは下記の点に注意しましょう。
キャンバスのデメリット・注意点
- 雨や水に濡れて色落ちする可能性がある
- 日焼けによる色褪せ
- 洗濯機で回すと型崩れする
2-8.メッシュ
メッシュ素材とは網目状で隙間がある生地で、ナイロンやポリエステルなどの化学繊維で作られていることがほとんどです。隙間から風を通して熱を逃がす特徴があります。夏場にメッシュのエコバッグを使うと、ファッション性も高まります。
メッシュのメリット・魅力
- おしゃれに使える
- 伸縮性がある
- 熱を逃がして蒸れにくい
- 軽量でエコバッグに最適
メッシュのデメリット・注意点
- 中身が見える
- おしゃれとダサいの線引きが難しい
エコバッグとしてカバンなどに入れて持ち歩くときは、折りたたみエコバッグとして使えるため、便利です。
まとめ
レジ袋が有料化されたことにより、エコバッグを使う機会も増えています。環境にやさしいだけでなく、デザインにこだわれば普段使いのバッグとしても使用可能です。
エコバッグを自分好みのデザインにし、オリジナルで作る場合は素材にもこだわりましょう。ポリエステル・ナイロン・コットンなど、素材ごとに特徴が異なる他、環境により配慮できる再生PETを使用することもできます。エコバッグの使い方や自らの好みに合った素材を選びましょう。