医師や看護師など、医療現場で着用する白衣は、シワのない状態で着るのが好ましい衣服の一つです。シワだらけの白衣は患者さんにあまり良い印象を与えず、病院やクリニックの評判にも影響するかもしれません。とはいえ、白衣のたたみ方が分からないために、くしゃくしゃに丸めた白衣をカバンに入れて通勤する方もいるでしょう。
当記事では、シワにならない白衣のたたみ方や、白衣を綺麗にたたむコツ、シワを防ぐ洗濯方法と保管方法を説明します。
1. シワにならない!白衣のたたみ方
綺麗に洗濯した白衣も、雑にたたむとシワになってしまいます。シワにならないたたみ方を取り入れ、清潔さだけでなく見た目の美しさも保ちましょう。シワを防ぐ白衣のたたみ方は下記の通りです。
1 | 背中側で両肩と左右の袖の位置を合わせて折りたたむ |
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白衣の背中側で、両肩の縫い目と左右の袖を合わせ、背中の内側(中央)に向けて折ります。 | |
2 | 袖を首元に向けて折りたたむ |
袖を首元に向けてまっすぐ折りたたみます。袖が長く白衣の胴体部分に大きく被る場合は、さらに折り返してください。 | |
3 | 白衣の裾を折りたたむ |
白衣の裾を持ち、袖の下で一度折りたたみます。さらにもう一度折り完了です。 |
白衣は着丈が長く、初めはたたむのに難しさを感じるかもしれません。しかし、上記のたたみ方は白衣に限らず、さまざまな衣類のたたみ方として用いられている方法です。繰り返し取り組むことで手順に慣れ、スムーズにたためるようになるでしょう。
また、手順3までたたんだ状態が大きい場合はさらに半分に折ってください。袖口や裾を合わせて折り返していくだけで、雑に折りたたむよりも生地の傷みを抑えられるほか、持ち運びに便利なサイズにもできます。
1-1. 白衣を綺麗にたたむコツは「アイロンがけ」
アイロンがけをして事前に折り目をつけると、折りたたむ部分の目印になり、スムーズにたためるためおすすめです。アイロンがけをする際は、下記のポイントに注意してください。
・部分ごとにアイロンをかける
一度に全体をアイロンがけしようとすると、シワができる可能性があります。正しい折り目が分かりづらくなるため、部分ごとに分けてアイロンをかけましょう。
・視線が集まりやすい部分はより丁寧にする
白衣の襟は、視線が集まりやすい部分です。特に「ラペル」と呼ばれる上襟の下にある襟は、白衣の顔とも言われて目立ちやすいため、より丁寧にアイロンをかけてください。
アイロンをかける際は、白衣を平らにしてシワが寄らないよう少しずつかけるのがコツです。
2. たたみ方より重要?白衣のシワを防ぐ洗濯方法
白衣はたたみ方だけでなく日々の洗濯の仕方にも注意すると、よりシワの防止効果が期待できます。洗濯時のコツを把握し、白衣のシワを防ぐのに役立てましょう。ここからは、白衣のシワを防ぐ洗濯方法について解説します。
2-1. 汚れがひどい場合はつけ置き洗いする
白衣にシワがなくても、汚れがついていると不清潔な印象になってしまいます。ひどい汚れがついている場合は、洗濯前につけ置き洗いで白衣を綺麗にしましょう。
まず、40℃以下の水やぬるま湯に、洗剤と漂白剤を入れて洗剤液を作ります。汚れの度合いを見ながら、白衣を30分から2時間ほど洗剤液に入れ、つけ置きしてください。最後に、洗剤液ごと白衣を洗濯機に入れて通常通り洗濯します。
白衣の素材によっては、酸素系漂白剤は使用できても塩素系漂白剤は使用不可となっているケースがあります。そもそも漂白剤の使用が適さない素材もあるため、洗濯表示タグを確認した上でつけ置き洗いをしてください。
2-2. 脱水時間は1~2分程度にする
脱水時間が長いと衣類にシワがつきやすくなります。特に白衣の生地に多く用いられるポリエステルは速乾性があるため、脱水によってシワがつくとそのまま乾いてしまう可能性があるので注意しましょう。脱水時間を任意に変更できる場合は、1~2分程度に設定するのがおすすめです。
そもそも、脱水時間が3分を超えると干したときの乾き具合に大きな差がないと言われています。脱水を短くするとその分の洗濯時間が短縮でき、電気代の節約にもつながりますので忘れずに変更しましょう。生地に残った水分の重みによって、干したときに白衣が下に引っ張られ、シワが伸びる効果も期待できます。
2-3. しっかりシワを伸ばしてから干す
白衣はしっかりとシワを伸ばしてから干すと、シワの定着を防いで乾かせます。シワを伸ばす際は、干す前に白衣を両手で持ち、大きく振ってだいたいのシワを取ることがポイントです。続いて、形を整えながらハンガーにかけ、軽くパンパンと叩いて細かなシワを取ってください。
中には、洗濯物を乾かすのに乾燥機を活用している方もいるでしょう。乾燥機は便利なアイテムですが、短時間で洗濯物を乾かすためシワができやすいというデメリットがあります。白衣のシワを防ぐという点では、乾燥機の使用は不向きと言えるため注意が必要です。
3. 白衣をたたまずに綺麗に保管するポイント
白衣は医療ウェアとして特に清潔感が重要です。毎日お手入れをすると、たたんでいない状態でも綺麗に保管できるほか、長く愛用できるようにもなります。ここでは、白衣をたたまずに綺麗に保管するためのお手入れ方法を3つ紹介します。
3-1. 上から下にブラッシングをする
綺麗に見える白衣でも、実際には目に見えない細かなほこりや汚れが付着しています。清潔な状態を保つために、1日に1回はブラッシングすることをおすすめします。ブラッシングをすると、衣類の繊維に空気が通りやすくなってふっくらとした状態になり、型崩れも起こりにくくなるのがメリットです。
ブラッシングは、上から下に向けて軽く払うようにしてください。硬い質感のブラシは生地を傷める可能性があるため、柔らかいブラシを使用するようにしましょう。
3-2. 霧吹きでシワを伸ばしてから陰干しする
お手入れの際に霧吹きと陰干しを活用するのも、白衣を清潔に保つのに役立つ方法です。ブラッシングをした後に霧吹きで全体に湿気を与え、シワを伸ばしてから風通しの良い場所で陰干ししましょう。白衣を湿らせてから伸ばすことで、シワが解消されやすくなります。
「陰干し」とは、直射日光に当たらないように衣類を日陰に干す方法です。直射日光による衣類へのダメージを少なくしつつ、しっかりと乾燥させることができます。陰干しは、直射日光に当たらない場所であれば室内でも可能です。
3-3. 厚手の木製ハンガーにかける
薄手のハンガーで保管すると、白衣の肩部分の生地に重みが強くかかり、ハンガーの跡がついたり形が崩れたりする原因になります。そのため、厚手のハンガーを使用して、肩部分の生地にかかる負担を減らしましょう。ハンガーの幅が広いことで力が均等に分散され、跡がつきにくくなり、型崩れも防ぎやすくなります。
また、プラスチックハンガーは静電気が起こりやすく、ほこりを吸い寄せる特性があります。そのため、静電気を帯びにくい木製ハンガーの使用がおすすめです。木製ハンガーはクローゼット内や衣類の湿気を吸収してくれるため、湿気対策としても効果が期待できます。
4. 白衣を綺麗にたたむ時間がない場合は?
白衣を綺麗にたたんだり、日頃お手入れしたりする時間が取れない場合は、下記のようなシワになりにくい素材で作られた白衣を選ぶとよいでしょう。
・ポリエステル素材
反発力が強い素材でシワになりにくく、ノンアイロンでも着用できるという特徴があります。軽量で丈夫なのもポリエステルの特性です。
・ジャージー素材
伸縮性・ストレッチ性に優れているため、シワになりにくい素材の一つです。通気性がよく柔らかい素材で、着心地も良好です。
ポリエステルやジャージー素材の白衣を選ぶと、シワ予防にかかる手間を軽減でき、お手入れの時短になります。時間がない忙しい人でも扱いやすい素材のためおすすめです。
まとめ
白衣にシワを作らないためには、綺麗にたたむことが大切です。まずは両肩の縫い目と左右の袖を合わせて背中の内側部分に折り込み、袖部分をまっすぐにたたんだら余った袖は折り返し、袖の下で2~3回折り返しましょう。あらかじめアイロンで折り目をつけていると、白衣をスムーズにたたみやすくなります。
そのほかにも、脱水時間を短くしたり、しっかりシワを伸ばしてから干したりすると、シワができにくくなります。普段の保管方法にも気を配りましょう。白衣をお手入れする時間がない場合は、シワになりにくい素材のものを選ぶのも一案です。
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