医療用スクラブは、病院やクリニックなどで働く医療従事者が着用するユニフォームの一種です。医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士など、さまざまな医療従事者が着用しています。
「スクラブは洗濯しても大丈夫?」という疑問をお持ちの方は多いでしょう。結論から言うと、スクラブを洗濯してお手入れすることは問題ありません。当記事では、スクラブが洗濯できる理由や、スクラブを洗濯する際の注意点について解説します。
1. スクラブは洗濯しても大丈夫?
結論から言うと、スクラブは洗濯しても問題ありません。医療現場で着用するものなので、清潔を保つために定期的な洗濯が必要です。
スクラブは、「ごしごし洗う」という意味の英語 “scrub” が語源です。その名の通り丈夫な生地で作られており、繰り返し洗濯しても傷みにくい特徴があります。
2. スクラブの洗濯・お手入れ方法
スクラブを洗濯する際は、まずは洗濯表示タグを確認しましょう。洗濯機で洗えるか、手洗いが必要か、乾燥機の使用可否などを確認するのが目的です。
その後、正しい洗濯・お手入れ方法を行う必要があります。以下では、一般的なスクラブを洗濯する際の方法について紹介します。
2-1. STEP1:洗濯ネットに入れる
スクラブを洗濯機で洗う際は、できる限り洗濯ネットに入れましょう。
スクラブの生地は丈夫であるものの、洗濯機の強い回転や他の洗濯物との摩擦によって傷んでしまうことがあります。洗濯ネットに入れることで、生地へのダメージを軽減し、スクラブを長持ちさせることが可能です。
スクラブは、型崩れすると見た目が悪くなり、着心地が悪くなってしまいます。洗濯ネットに入れることで、型崩れを防ぎ、美しいシルエットを保つことができるでしょう。
スクラブには、ボタンやファスナーが付いているものもあります。洗濯ネットに入れることで、ボタン・ファスナーが他の洗濯物に引っかかったり、破損したりするのを防げます。
洗濯ネットの選び方としては、スクラブがゆったりと入る大きさのものを選べば問題ありません。小さすぎると、スクラブが中で動きにくくなり、汚れが落ちにくくなります。
ファスナーがしっかり閉まる洗濯ネットを選ぶことも大切です。洗濯中にファスナーが開いてしまうと、スクラブがネットから出てしまい、洗濯ネットの効果がなくなってしまいます。
2-2. STEP2:中性洗剤または弱アルカリ性洗剤で洗濯する
スクラブの洗濯には、中性洗剤または弱アルカリ性洗剤を使用しましょう。
スクラブは、繰り返し洗濯に耐えられるように丈夫な素材で作られていますが、強いアルカリ性洗剤を使用すると、生地を傷めたり、色落ちの原因になったりすることがあります。
中性洗剤または弱アルカリ性洗剤は、生地に優しく、色落ちや変色のリスクを軽減することが可能です。
中性洗剤 |
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弱アルカリ性洗剤 |
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洗剤の使用方法や使用量は、洗剤の種類や洗濯機の容量によって異なります。洗剤のパッケージに記載されている使用量を守りましょう。
2-3. STEP3:日の当たる場所で干す
太陽光には紫外線が含まれており、紫外線には殺菌効果があります。スクラブを天日干しすることで、洗濯で落としきれなかった細菌やウイルスを不活性化させ、より衛生的にすることが可能です。午前10時~午後2時頃が、紫外線が最も強く、殺菌効果が高い時間帯です。
出典:J-STAGE「紫外線ランプの波長が殺菌に与える影響」
天日干しは、スクラブに付着した汗や皮脂などの臭いの原因物質を分解するため、消臭効果があります。風通しの良い場所で干すことで、乾燥を早め、生乾きによる臭いの発生も防げます。
干して乾いた後にシワが気になる場合は、アイロンがけをするとよいでしょう。
3. スクラブを洗濯する際の注意点
医療従事者のほとんどの方は、スクラブを洗濯機で洗い、繰り返し使用しているでしょう。
スクラブを清潔に保ち、長く愛用するためにも、以下で紹介する洗濯時の注意点をぜひ意識してみてください。
3-1. 他の洗濯物と一緒に洗わないようにする
スクラブを洗濯する際は、なるべく他の洗濯物と一緒に洗わないようにしましょう。濃い色のスクラブの場合、他の洗濯物と一緒に洗うと色移りする可能性があります。白い衣類や淡い色の衣類は、色移りしやすいので注意が必要です。
スクラブは医療現場で使用されるため、血液や体液、細菌などが付着している可能性があります。他の洗濯物に汚れが移ってしまうのは、衛生的に好ましくありません。特に、タオルや下着など肌に直接触れるものは、スクラブと一緒に洗わないようにしましょう。
3-2. 漂白剤の種類を確認する
スクラブを洗濯する際に、漂白剤を使用する場合は種類を確認することが大切です。漂白剤には主に2つの種類があります。
塩素系漂白剤 |
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酸素系漂白剤 |
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スクラブには、酸素系漂白剤の使用がおすすめです。30分~1時間程度つけ置きすると、より漂白効果が期待できます。ただし、スクラブの洗濯表示タグを確認し、酸素系漂白剤が使用可能かどうかを確認してから使いましょう。
毎回の洗濯で漂白剤を使う必要はありません。汚れがひどい時や、臭いが気になる時など、月に1~2回程度の範囲で使用するのがおすすめです。
4. スクラブについた頑固な汚れの落とし方
スクラブに付いたインク染みや黄ばみは早めに対処し、適切な方法で落とすことで、きれいに保つことができます。
以下では、スクラブに付いたインク染みや黄ばみの落とし方について説明します。
4-1. インク染みの落とし方
スクラブについた頑固なインク染みは、早めの対処が肝心です。インクの種類やスクラブの素材によって適切な落とし方が異なりますが、一般的な方法をいくつかご紹介します。
水性インク |
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【特徴】 【落とし方】 |
油性インク |
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【特徴】 【落とし方】 |
インク染みをゴシゴシこすると、繊維の奥にインクが入り込んでしまい、落ちにくくなってしまいます。優しく叩くようにして落としましょう。
4-2. 黄ばみの落とし方
スクラブについた黄ばみも、時間が経つほど落ちにくくなるため、早めの対処が重要です。黄ばみの原因は主に皮脂汚れ・汗ジミで、襟や袖口といった皮脂や汗がつきやすい部分に発生しやすいです。
落とし方としては、40℃くらいのお湯に酸素系漂白剤を溶かし、30分~1時間ほど浸け置きします。汚れがひどい場合は、襟や袖口に直接液体洗剤を塗布し、歯ブラシで優しくこすり洗いしましょう。その後、洗濯機で通常通り洗濯します。
重曹ペーストを黄ばみに塗布し、しばらく置いてから洗濯する方法や、セスキ炭酸ソーダを溶かした水に浸け置きしてから洗濯する方法も有効です。
まとめ
スクラブを洗う際は、洗濯ネットに入れるひと手間をかけるだけで、スクラブを長く使うことができるでしょう。洗濯ネットに入れることで、スクラブの色移りや毛羽立ちを防ぎ、他の洗濯物を守ることもできます。
スクラブを洗う際に使う洗剤は、中性洗剤または弱アルカリ性洗剤を使用することが大切です。漂白剤は毎回使わず、ピンポイントでの使用が推奨されます。
漂白剤を使用する場合は、酸素系漂白剤がおすすめです。酸素系漂白剤は、塩素系漂白剤よりも生地に優しく、傷みにくいのが特徴があります。スクラブを長く使うためのコツを覚えて、正しい洗濯方法を実践してください。
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