医師や理工系研究職の方にとっては、白衣は日々の業務で着用する仕事着です。白衣は汚れが付いた場合に目立ちやすいため、定期的な洗濯が欠かせません。また、白衣にシミが付くと、洗濯してもなかなか取れない場合があります。
この記事では、白衣の洗濯方法や洗濯頻度について詳しく解説します。また、白衣に付いたシミを落とす方法やシワができにくい洗い方のポイントについても取り上げるため、白衣を仕事で使う医師や理工系の研究者の方は、ぜひご覧ください。
1. 白衣の洗濯方法・洗濯頻度
白衣は、使用状況に合わせた頻度での洗濯がおすすめです。たとえば医師や看護師など日常的に仕事で着ている方の場合、病院の衛生面からも毎日清潔な白衣と交換する必要があります。洗い替えとのローテーションを考慮しても、可能な限り毎日洗濯すべきです。
一方、理系学生の場合、白衣の着用日数や時間は限られています。直接肌に触れるわけでもないため、白衣の洗濯頻度は2日~3日に1回程度の割合で十分です。
見た目が汚れていないからと何日も放置したり、洗濯せずに使い続けたりすることは避けましょう。洗濯せずに白衣を着続けると、袖や襟の部分に黄ばみや黒ずみが生じるおそれがあります。
白衣を傷めずに洗濯するためには、頻度に加えて方法にも注意しましょう。自宅の洗濯機を使用する場合は、まず白衣のタグに印刷されている洗濯表示を確認してください。衣料品のタグに表示されている主な記号は、下記のページで確認できます。
参考:全国クリーニング生活衛生同業組合連合会「衣類に付いている表示のお話」
洗濯表示は、クリーニング店も必ず確認する重要な情報です。洗濯表示を見ると、何度のお湯に浸けてもよいのか、乾燥機を使用してもよいのかなど、白衣の正しい洗い方が分かります。
白衣と一口に言っても、素材や構造はさまざまです。普段使用している白衣の素材に合った方法で洗濯しましょう。
2. 白衣のシミを落とすコツ
医療行為や研究・実験で使用する白衣は、注意していてもシミができることがあります。真っ白な白衣にシミができたときは、早めの対処が必要です。ここでは、白衣を着ているときにできやすい4種類のシミについて、落とし方のコツを紹介します。
2-1. ボールペンのインクジミ
ボールペンでできたインクジミには、アルコールや除光液によるシミ抜きがおすすめです。インクジミは白衣の繊維に染み込むため、通常の洗濯では落ちません。洗濯機に入れる前に、下記の手順でシミ抜きを行います。
1 | シミができている部分の裏に布をあてる |
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2 | アルコールまたは除光液をシミの部分にスプレーする |
3 | 布で叩くようにしてシミを取り除く |
4 | お湯ですすぐ |
5 | シミが取れるまで1~4の手順を繰り返す |
アルコールや除光液を吹きかけた後、上から布で叩くようにするとインクジミを取り除けます。すすぐときのお湯は、40度前後のものがおすすめです。1~4の作業を繰り返して、インクジミが取れた後は、通常と同じように洗濯します。
注意点は、インクの種類ごとにシミ抜き方法が異なることです。上記の対策は、油性インクによる汚れに向いています。水性インクのボールペンを使用したときは、汚れ部分をまず水洗いしましょう。次に洗剤を塗ってインクジミのみを擦ったり、叩いたりして汚れを落としてから、漂白剤と洗濯機で仕上げます。
2-2. 襟の汗ジミ
襟にできた黄色い汗ジミには、専用洗剤による洗濯や、部分的な擦り洗いが効果的です。汗ジミのある白衣を通常の方法で洗濯しても、汚れは十分に落ちません。お手入れ不足の場合、酸化した汗ジミが黄ばみの原因となります。
洗濯時に市販されている襟・袖口の専用洗剤を併用すると、黄ばみを防止できます。黄ばみがひどいときは、下記の手順で部分的な擦り洗いをしましょう。
1 | 汗ジミ部分に専用洗剤または中性洗剤を塗る |
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2 | 歯ブラシなどで汗ジミ部分を擦り洗いする |
3 | ある程度汚れが落ちたら洗濯機で通常の洗濯を行う |
自宅に専用洗剤がない方には、中性洗剤で擦り洗いする方法がおすすめです。ほかにも、漂白剤と洗剤を30度前後のぬるま湯に入れて、白衣を30分~1時間程度浸け置き洗いすると落ちることがあります。
汗ジミは、直接肌と触れて擦れる部分に生じやすい汚れです。襟汚れのみならず、袖口の汗ジミにも上記の方法で対策すると、清潔感のある白衣を保てます。
2-3. 飲食物のシミ
食事の介助や昼食時にできた飲食物のシミには、食器用の中性洗剤が役立ちます。食器用の中性洗剤なら、油汚れに適した成分で効率的にシミ抜きできます。
白衣にできた飲食物のシミを取り除く手順は、下記の通りです。
1 | シミができた部分を水で濡らす |
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2 | 食器用の中性洗剤をシミ部分に垂らす |
3 | 揉み洗いする(汚れがひどい場合は歯ブラシで擦り洗いする) |
4 | 1~3を繰り返して汚れをある程度まで落とす |
5 | 残ったシミ部分に酸素系漂白剤を塗る |
6 | 洗濯機で通常の洗濯を行う |
シミが油分の多い飲食物でできているときは、ぬるま湯の中で揉み洗いすると汚れが落ちやすくなります。揉み洗いや擦り洗いを繰り返しても残ったシミは、酸素系漂白剤と通常の洗濯で落とします。
酸素系漂白剤の種類は液体や粉末、濃縮タイプなどさまざまです。各製品の説明文を読み、正しい方法でシミ部分に塗ったり洗濯機へ投入したりすることが大切です。
2-4. 血液によるシミ
血液によるシミをきれいに落とすコツは、できる限り早くシミ抜きすることです。洗濯用ではなく、食器用の中性洗剤で落とします。
血液の汚れは、水溶性です。早めに対処すれば、落としやすくなります。下記の手順で、汚れが落としやすいうちに対処しましょう。
1 | シミができている部分の裏に布をあてる |
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2 | 食器用の中性洗剤を水で薄めてシミ部分に塗る |
3 | 歯ブラシで上からシミを叩くようにして、汚れを出す |
4 | 水ですすぐ |
5 | 洗濯機で通常の洗濯を行う |
上記は、血液によるシミができてから時間が経っていない場合の方法です。医療従事者は、現場によっては血液汚れが付きやすいため、すぐに気付かないこともあります。洗濯する直前など、時間が経ってからシミに気付いた場合は、洗濯用の洗剤と漂白剤を使用しましょう。
洗濯用の洗剤と漂白剤を同量混ぜて、ペースト状にしたものをシミ部分に塗って10分前後置きます。汚れが浮いてきたら、洗濯機で仕上げます。
血液によるシミを取り除くときのコツは、ぬるま湯ではなく水でシミ抜きや洗濯を行うことです。水温が高いと、血液に含まれるタンパク質が固まり、汚れが落ちにくくなる可能性があります。
3. シワになりにくい白衣の洗い方のポイント
白衣の清潔感を維持するためには、シミ抜きで真っ白い外見を保つことに加えて、シワのないきれいな状態で着ることも大切です。ここではシワになりにくい白衣の洗い方について、4つのポイントを紹介します。
3-1. 丁寧に洗う
1つ目のポイントは、丁寧に洗うことです。たとえば白衣を洗濯機へ直接入れていないでしょうか。白衣を直接入れて洗うと、脱水時などに生地が引っ張られたりほかの洗濯物と絡まったりして、傷むおそれがあります。
生地が傷むと、白衣がシワになるリスクが高くなります。白衣は必ず洗濯ネットに入れて、傷みから保護しつつ洗いましょう。洗濯ネット1枚につき洗濯物は1着のみ入れることや、きれいに畳んで入れることも、白衣のシワ対策につながります。
3-2. 脱水時間を短くする
2つ目のポイントは、洗濯機の脱水時間を短く設定することです。お任せモードやコースで洗うと、脱水時間が長くなり、白衣の生地が傷みやすくなります。脱水時間は、できる限り最短に抑えることが大切です。
ほかの衣類やタオルと一緒に洗濯する場合は、脱水の途中で一度洗濯機を停止させて、白衣のみ先に取り出します。洗濯機の脱水時間を短縮せずに済み、タオルなども問題なく白衣と一緒に洗濯できます。
3-3. 洗濯時にシワを伸ばす
3つ目のポイントは、シワを伸ばして干すことです。洗濯したときの状態でハンガーにかけると、白衣はシワになったまま乾きます。少しでもシワを残さないようにするためには、干す段階で生地を伸ばすことが大切です。
白衣のシワを伸ばすときは、ハンガーにかけた後、手で生地を押さえます。コツは、白衣を挟んだまま拍手するように、前と後ろの両側から生地を叩くように押さえることです。近年は、シワになりにくい加工を施した機能性素材の白衣も販売されており、手で抑える程度できれいな形に整えられます。
3-4. 乾燥機を使わずに乾かす
4つ目のポイントは、乾燥機ではなく自然乾燥で白衣を乾かすことです。乾燥機は早く乾くメリットがある一方で、シワになりやすいデメリットもあります。
時間に余裕があるときは、ハンガーにかけて自然に乾くのを待ちましょう。乾いた後はアイロンをかけて、残っている細かいシワも伸ばすと見栄えが良くなります。
まとめ
白衣は使用状況に応じて、洗濯の頻度を調整する必要があります。医師や理工系の研究職の方は、仕事の日は1日中、白衣を着用しており汚れやすいため、できる限り毎日洗濯したほうが好ましいです。一方で、学生の場合は実習で数時間白衣を着るだけであるので、毎日白衣を洗濯する必要性は薄いでしょう。
白衣にシミが付いた場合は、シミの種類に応じたシミ抜きが必要です。また、白衣はシワになりやすいため、シワができないように丁寧に洗う必要があります。この記事で紹介したポイントを押さえて、正しい洗い方で白衣を洗濯しましょう。
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