タオルを洗っても嫌な臭いが残ることがありますが、その原因は雑菌です。温度や湿度が高い環境で雑菌が繁殖し、悪臭を引き起こします。このような臭いを効果的に取り除く方法が、手軽にできる「熱湯消毒」です。
この記事では、タオルの嫌な臭いを取り除く熱湯消毒のやり方や、その効果の理由について詳しく解説します。手軽な方法ですが、間違ったやり方をするとタオルを傷めてしまうこともあります。タオルの臭いにお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
1. タオルの臭いに効果的な熱湯消毒とは
洗濯したばかりのバスタオルやフェイスタオルに嫌な臭いが残る原因は、洗濯では落としきれなかった雑菌です。タオルに残った雑菌は、温度や湿度などの条件が揃うと繁殖し、アンモニアや揮発性脂肪酸などによって悪臭が発生します。
特に臭いの原因となっている雑菌は、モラクセラ菌とマイクロコッカス菌です。モラクセラ菌は人間の口や鼻の粘膜に存在し、タオルに付着すると、生乾き臭のような雑巾の臭いを引き起こします。一方、マイクロコッカス菌は皮脂や汗を分解する過程で、汗のような酸っぱい臭いを発生させます。
どちらの菌も高温に弱いため、熱湯消毒は嫌な臭いに対する効果的な対策です。タオルを60度以上のお湯に浸してから通常通り洗濯して乾かすことで、モラクセラ菌とマイクロコッカス菌を減少させ、臭いを軽減することができます。
2. タオルの熱湯消毒がおすすめの理由
タオルの熱湯消毒は、特別な薬剤を使用せずに雑菌を除去できる方法です。熱湯消毒後も通常通り洗濯して干すだけなので、臭いが気になったときに手軽に試せます。
ほかにもタオルの熱湯消毒には、下記のようなメリットがあります。
- 短時間で消毒できる
- 頑固な汚れも落とせる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
2-1. 短時間で消毒できる
タオルの熱湯消毒は、短時間でタオルの除菌・殺菌が可能です。モラクセラ菌は、60度以上のお湯に20分程度タオルを浸けることで死滅するとされています。
大きめの鍋でお湯を沸騰させ、タオルを10分ほど浸けることで消毒が完了します。臭いがひどい場合は、洗剤や漂白剤、重曹などを加えると、より効果的です。
熱湯消毒は、臭いの原因となる雑菌だけでなく、ノロウイルスやカンピロバクターなどの細菌にも効果があります。ノロウイルスは85度のお湯で1分以上、カンピロバクターは65度以上のお湯で1分以上浸けることにより死滅します。
2-2. 頑固な汚れも落とせる
タオルを熱湯消毒すると、洗濯では落としきれなかった頑固な汚れを落とせるのもメリットの1つです。特に、タオルを洗っても落としにくい皮脂汚れといった油性の汚れには、熱湯消毒が効果的です。
皮脂はタオルに残ると雑菌のエサになり、雑菌が繁殖して臭いの原因となります。また、油性の汚れが酸化すると、嫌な臭いが発生することがあります。熱湯消毒でタオルに熱を加えることで、皮脂汚れが落ちやすくなり、嫌な臭いの予防にもつながります。
3. タオルの熱湯消毒のやり方
タオルを熱湯消毒する際には、下記の物を用意しましょう。
- 大きめの鍋
- トングまたは菜箸
- タオルが浸かる程度の水
次に、タオルを熱湯消毒する手順を解説します。
- 鍋に水またはお湯を入れて火にかける
- お湯が60度以上になったら、タオルを入れる
- 弱火にして約20分浸けておく
- トングまたは菜箸でタオルと取り出し、水ですすぐ
- 通常通り洗濯機で洗う
- 直射日光に当たらない通気性のよい場所でしっかりと乾かす
臭いがひどい状態のタオルは、洗剤や重曹、漂白剤を加えた熱湯消毒も効果的です。洗剤や重曹を使用する場合は、水の中でよく溶かしておきましょう。
熱湯消毒の際に重曹や漂白剤を入れる場合は、ホーローまたはステンレス製の鍋がおすすめです。アルミ製の鍋は、アルカリ性の重曹や漂白剤と反応して黒ずむ原因になります。
タオルは天日干しすると、水分が飛びすぎてしまい、生地が傷んで固くなる可能性があります。柔らかいタオルに仕上げたい場合は、直射日光の当たらない場所でしっかり乾燥させましょう。
4. タオルを熱湯消毒する際の注意点
タオルを熱湯消毒する際には、下記の注意点があります。
- 菌によって必要な消毒時間が異なる
- タオルが色落ちする可能性がある
- 煮沸によって傷む素材もある
熱湯消毒は殺菌・消毒効果が高い反面、タオルの種類によっては色落ちや繊維の傷みが発生する可能性があります。以下のポイントに注意して、適切な熱湯消毒を行いましょう。
4-1. 菌によって必要な消毒時間が異なる
タオルに付着している菌の種類によって、消毒にかかる時間が異なります。
臭いの原因菌であるモラクセラ菌は、60度のお湯に浸けて20分程度で死滅するとされています。死滅時間は菌の種類によって異なるものの、ノロウイルスやO-157、カンピロバクターは85度以上の熱湯に1分間浸けておくことで除去できます。また、新型コロナウイルスは、80度以上のお湯に10分間浸けると殺菌可能です。
短時間または温度が低い熱湯消毒では、殺菌効果を感じられない可能性があります。タオルを熱湯消毒する際には、時間とお湯の温度に注意が必要です。
4-2. タオルが色落ちする可能性がある
赤や青などの色の濃いカラータオルを熱湯消毒する場合、色落ちの可能性があります。また、綿・麻・絹の素材を使用したタオルも色落ちには注意が必要です。
タオルが色落ちするかどうか不安な場合は、熱湯消毒の前に色落ちテストを実施することをおすすめします。色落ちテストの手順は下記の通りです。
- タオルの目立たない位置に、洗濯洗剤の原液をつけて5分放置する
- 白い布で洗剤を付けた場所を叩く
白い布に色が付着した場合、そのタオルは色落ちする可能性が高いです。まずは、色落ちしても問題ないタオルで試し、熱湯消毒による変化を確認すると安心です。
4-3. 煮沸によって傷む素材もある
タオルの素材によっては、煮沸消毒すると繊維が傷む可能性があります。
特に注意が必要なのは、ナイロンやポリエステルなどの化学繊維、ウール、シルクです。これらの素材は熱に弱く、煮沸によって繊維が傷んだり、変質したりする恐れがあります。
一方、比較的熱に強い素材には、綿や麻があります。高温の熱湯に浸けても繊維が傷みにくく、熱湯消毒に適しています。
煮沸消毒を行う前に、タオルの洗濯表示で素材を確認することが重要です。
5. タオルの臭いに効果的な熱湯消毒以外の方法
タオルの嫌な臭いに効果的な方法は、熱湯消毒以外にもいくつかあります。以下では、家庭にある物でできる臭い取り方法を2つ紹介します。
- 重曹でつけ置き洗いする
- 電子レンジでタオルを温める
どちらも手軽にできる対処法なので、ぜひ試してみてください。
5-1. 重曹でつけ置き洗いする
重曹とは、炭酸水素ナトリウムと呼ばれる物質です。加熱するとアルカリ性が高まり、皮脂や汗、ジュースなどの酸性の汚れと中和反応を起こし、臭いを除去します。
重曹を使用してつけ置き洗いする手順は下記の通りです。
- 洗面器やバケツなどに40~60度のぬるま湯を用意する
- お湯に重曹を溶かす
- タオルを30分~1時間浸ける
- 通常通り洗濯して干す
重曹は水に溶けにくいため、お湯を用意するのがポイントです。お湯10Lに対して大さじ1杯の重曹を使用しましょう。
シルクやウールなどの天然繊維でできたタオルは、生地を傷めてしまう可能性があるため、重曹を使用するのは避けましょう。
5-2. 電子レンジでタオルを温める
臭いの原因となる雑菌は熱に弱いのが特徴です。そのため、タオルを電子レンジで加熱すると、雑菌・除菌ができ、臭いの軽減につながります。
電子レンジを使用する方法は、下記の通りです。
- タオルを水に濡らし、ラップで包む
- 500Wで約1分間加熱する
- 取り出したら、すぐに洗濯してよく乾かす
電子レンジを使用する場合、タオルは必ず濡らしてから加熱します。濡らさずに加熱すると、タオルが燃える可能性があるため、注意が必要です。
また、化学繊維や金糸、ラメ糸を使用しているタオルは、発火の恐れがあるため、電子レンジで加熱できません。使用するタオルの素材に気をつけましょう。
まとめ
タオルの嫌な臭いの原因は、洗濯では落としきれなかった雑菌です。温度や湿度などの条件が揃うと、モラクセラ菌やマイクロコッカス菌が繁殖し、アンモニアや揮発性脂肪酸などの悪臭が発生します。そこで、臭いを取り除くのに効果的な方法が熱湯消毒です。
タオルの熱湯消毒に必要なものは、大きめの鍋、トングまたは菜箸、タオルが浸かる程度の水だけです。特別な道具は必要なく、手軽に行えます。洗濯後にタオルが気になる場合は、手順や注意点を確認し、熱湯消毒を試してみてください。
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