登録販売者は、一部の医薬品の販売に携われる職種です。薬局やドラッグストアに勤務する登録販売者は白衣を着ていることが多いため、白衣の着用は義務なのか疑問に感じている人もいるでしょう。
当記事では、登録販売者に白衣の着用が求められる理由を説明した上で、登録販売者が白衣を着るメリットや選び方、白衣以外のおすすめの衣服を解説します。登録販売者の資格取得を目指している人、研修生として勤務を始める人は、ぜひ最後までご覧ください。
1. 登録販売者は白衣の着用が義務?
登録販売者は白衣の着用は義務ではありませんが、他職種のスタッフと区別できる服装が望ましいとされているため、白衣を着用するケースがほとんどです。登録販売者は、薬剤師や一般従事者と働くこともあります。薬剤師・登録販売者・一般従事者のそれぞれの仕事内容は下記の通りです。
薬剤師 | 主に薬の調合・服薬指導などを行うのが薬剤師です。処方箋による医薬品の調剤や第1類医薬品の販売は、薬剤師でなければできません。薬剤師になるには、6年制学部・学科の薬学課程を卒業した上で、国家試験に合格する必要があります。 |
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登録販売者 | 第2類医薬品・第3類医薬品を販売できるのが登録販売者です。販売時の情報提供や接客、薬のアドバイスなども行います。登録販売者になるには資格取得が必要で、正式な登録販売者になるには実務経験が求められます。 |
一般従事者 | 医薬品の販売以外に従事する人を一般従事者と呼びます。ドラッグストア・薬局であれば調剤事務や管理栄養士、接客・レジ打ちを担当するアルバイト・パートなどが該当します。 |
薬剤師・登録販売者は白衣を着用するケースが多く、薬剤師はロング丈、登録販売者はショート丈と、白衣のデザインで薬剤師と登録販売者を区別することもあります。
一般従事者の場合は「シャツにネクタイ」「私服にエプロン」など、店舗によって服装規定はさまざまです。
1-1. 登録販売者と一般従事者の区別が必要な理由
登録販売者と一般従事者の区別が求められるのは、薬機法(旧薬事法)の改正が理由です。
『「薬事法の一部を改正する法律等の施行等について」の一部改正について』によると、薬剤師・登録販売者・一般従事者はそれぞれ職種と氏名を記載したバッジなどを付けることのほか、衣服などで区別を行うことが望ましいとされています。また、一般従事者が白衣を着用するなど、購入者にとって紛らわしい服装は避けるべきとも明記されています。
出典:厚生労働省「「薬事法の一部を改正する法律等の施行等について」の一部改正について」
そのため、以前は資格の有無を問わず白衣を着用できましたが、現在は白衣を着用できるのは薬剤師・登録販売者に限られています。
特に、登録販売者は品出しやレジ打ち、在庫管理、POP作成など、一般従事者と同様の仕事を行うこともあります。登録販売者と一般従事者が同じ服装では、お客さんが勘違いして一般従事者に医薬品の相談を行い、誤った情報を案内される恐れがあります。そうした事態を防ぐために、ドラッグストアなどでは登録販売者に白衣の着用をルールとして定めているのが現状です。
2. 登録販売者が白衣を着るメリット|白衣の役割
薬局やドラッグストアにおいて「白衣を着ている人=医薬品に詳しい人」というイメージを持つ人は少なくありません。そのため、登録販売者が白衣を着ることで、一般従事者とは異なる「医薬品のプロ」という印象を与えられ、お客さんは安心して相談ができるようになります。
中には、白衣を着ているだけで厚い信頼を寄せてくれるお客さんもいます。お客さんに信頼されることは責任が伴いますが、相談や質問を受ける中で適切に対応できたときには大きなやりがいも感じられるでしょう。
3. 登録販売者が着用する白衣の選び方
初めて白衣を導入する場合、豊富な種類の中からどれを選ぶべきか迷う人は多いでしょう。登録販売者として着る白衣を探しているときは、下記の3つの観点に着目してみてください。
3-1. シワになりにくく簡単に手入れできるか
薬局やドラッグストアでの勤務中は、レジ打ちの立ち仕事以外に、立ったりしゃがんだりを繰り返す業務もあります。そうした日々の動作で白衣にシワが寄ることはめずらしくなく、白衣を適切に手入れする必要があります。
とはいえ、洗濯のたびにアイロンがけをするのは面倒に感じられる人もいるでしょう。その場合は、ノンアイロン加工の施された白衣がおすすめです。ゴシゴシと洗っても問題のない白衣なら、服に付着した汚れをしっかりと落としながら型崩れも防げます。
3-2. 汚れが落ちやすく清潔感を保てるか
ボールペンの先が出たままポケットに入れたり、朱肉に触れたりしたとき、白衣は白色なのでどうしても汚れは目立ちます。また、品出しや棚卸の際に汗やホコリなどで白衣が汚れることも少なくありません。
登録販売者は、医薬品のプロとしてお客さんに不信感を与えないよう、清潔感に配慮することが求められます。そのため、白衣の清潔感を手軽にキープしたい場合は、洗濯で汚れを落としやすくする加工や防汚加工の施された白衣を選ぶようにしましょう。
3-3. 動きやすく仕事中も快適に過ごせるか
登録販売者は、医薬品の販売・相談のほかに、レジ打ちや品出しなどを任せられることも少なくありません。立つ・座る・かがむなど動きのある作業も多いため、ストレッチ機能を持つ白衣を着ると動きやすくなります。
また、ドラッグストアの売り場スペースからバックヤードまで店内を歩き回ったり、重い商品を運んだりするなど、汗をかく日もあります。そのため、吸水性・速乾性のある白衣を選ぶと、汗が染み込んでも不快感が少なく快適に過ごせます。
4. 【登録販売者】白衣以外におすすめの衣服
基本的に登録販売者は白衣を着用するよう求められますが、店舗によっては白衣以外の服装を採用するところもあります。ここからは、定番の白衣以外に登録販売者が着用するのにおすすめの衣服を紹介します。
4-1. スクラブ
スクラブとは、首元がVネックで半袖のメディカルウェアのことです。伸縮性があって簡単に着脱でき、Tシャツ感覚で手軽に着られます。また、丈夫な生地で作られているため、何度も洗濯しても傷みにくい点も特徴です。
白衣と違い、スクラブはカラーバリエーションが豊富で、色によってスタッフを識別することも可能です。白衣よりもカジュアルな印象を持たれやすいため、お客さんの緊張感を和らげる効果も期待できるでしょう。
4-2. ケーシー
ケーシーとは、一般的な白衣よりも丈が短く、首元が立ち上がったデザインの白衣のことです。前閉じになっているため、通常の白衣に比べてボタンの引っかかりが気になりません。首元が詰まっており、中に着るインナーを選ばないことも特徴です。
また、白衣より動きやすく、スクラブよりフォーマルな印象を与えることができます。作業療法士や歯科衛生士などに人気のある衣服です。
5. 研修中の登録販売者も白衣を着る必要はある?
登録販売者として現場で働く場合、一般従事者と区別できるよう、研修中でも白衣を着用する必要があります。
登録販売者は資格試験に合格した後、24か月(月80時間以上)の実務経験を積むことによって、正規の登録販売者となれます。資格取得後の実務経験の条件をクリアするまでは、研修中の登録販売者として扱われます。なお、登録販売者の資格取得にあたって学歴は特に問われません。
出典:職業情報提供サイト(日本版O-NET)「医薬品販売/登録販売者」
登録販売者として研修中でも、お客さんにとって医薬品の相談できるプロであることには変わりありません。時には先輩の登録販売者や薬剤師に質問しながら、実務経験を積む中で医薬品の知識や接客方法を身に付けていきましょう。
まとめ
登録販売者に白衣の着用義務は法律で決められていませんが、一般従事者と区別するため、白衣やスクラブ、ケーシーなどを着用するよう求められています。白衣やメディカルウェアの着用が望ましいのは研修中でも同様です。
薬局やドラッグストアに勤務する場合、伸縮性や通気性、速乾性などのあるメディカルウェアがおすすめです。クラTジャパンでは、 機能性とデザイン性を兼ね備えたスクラブを多数取り扱っておりますので、ぜひご利用ください。
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