著作権を気にせずオリジナルTシャツを作成していると、思わぬトラブルにつながってしまうかもしれません。
この記事では、著作権についてやオリジナルTシャツ作成で著作権を侵害してしまうケースなどを解説します。
目次
著作権とは著作者・著作物を守るための権利
著作権とは小説や音楽、映画などの著作物や、創作した著作者を守るための権利です。著作権法第二条では、次のとおり著作物を定義しています。(※)
‟思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう”
つまり、自分の考えを他人の真似ではなく独自の言葉や音楽(歌詞を含む)、絵などで表現したものが著作物にあたるといえます。
オリジナルTシャツを作る際、好きな漫画のキャラクターや映画のワンシーンを使用する、好きな音楽の歌詞を使用するといったことを思う人もいるかもしれませんが、これらは著作権の侵害にあたってしまうため注意が必要です。
※出典:e-Gov法令検索.「著作権法」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048
(入手日付2023-04-21)
個人使用は著作権侵害にあたらない?
著作権法第三十条では、個人的に使用することを目的としていた場合、使用者は著作物を複製できるとしています。(※)そのため、個人的に使用するオリジナルTシャツであれば、好きなキャラクターや映画のワンシーンなどをデザインすることは違法にならず、可能なことと考えられます。
しかし、注意すべきなのが、著作権法における個人使用は使用者が複製できると定めている点です。つまり、個人的にTシャツに好きなキャラクターを描いて着る場合は個人使用の範疇と考えられます。
一方でTシャツにキャラクターをプリントするために、専門の業者に依頼した場合は、個人使用の範疇を超えてしまうため、著作権侵害にあたってしまいます。
そのため、個人で使用する場合でも、漫画のキャラクターや映画のワンシーンなど著作権を侵害するプリントは業者に依頼することができません。
※出典:e-Gov法令検索.「著作権法」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048
(入手日付2023-04-21)
著作権が消滅したら使用できる?
著作権は一定期間の保護が終了すると、著作物は社会全体の共有物と見なされて、誰でも自由に利用することができるようになります。日本における著作権の保護期間は次のとおりです。(※)
著作物の種類 保護期間
実名の著作物(広く知られた変名も含む) 死後70年
無名もしくは変名の著作物 公表後70年
(死後70年以内に公表されない場合は、創作後70年)
団体名義の著作物 公表後70年
(創作から70年以内に公表されない場合は、創作後70年)
映画の著作物 公表後70年
(創作後70年以内に公表されない場合、創作後70年)
保護期間を計算する際は、死亡、公表、創作の翌年1月1日から起算されます。
例えば、1989年に亡くなった作家の作品の著作権は、1990年1月1日から数えて70年後の2059年12月31日までです。作者が亡くなった場合は、すぐに著作権が消滅するわけではないため注意しましょう。
※出典:公益社団法人著作権情報センター.「著作権は永遠に保護されるの?」
https://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime3.html
(入手日付2023-04-21)
著作権を侵害してしまうと罰則が科せられる可能性がある
著作権は著作者、著作物を守るために法律で定められた権利です。そのため、著作権を侵害してしまうと罰則が科せられてしまう可能性があります。著作権を侵害した場合、10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金が定められています。また、企業をはじめとした法人の場合は3億円以下の罰金が定められているため、著作権の侵害に関する知識を身につけておくことが大切です。(※)
これらは刑事上の罰則です。著作権の侵害は民事上でも訴えられたり、裁判になったりすることも考えられます。著作権法第百十二条では、著作権を侵害された著作者に対して、侵害行為の差止請求や損害賠償の請求などを認めています。(※)
※出典:公益社団法人著作権情報センター「著作物を無断で使うと?」
https://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime8.html
(入手日付2023-04-21)※出典:e-Gov法令検索.「著作権法」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048
(入手日付2023-04-21)
よくある著作権侵害のケース
著作権はさまざまな著作物に認められている権利です。一般的に漫画のキャラクターや映画のシーンなどが著作物として認識されていますが、それ以外にも数多くあります。ここではよくある著作権侵害のケースを紹介します。
キャラクターや企業のロゴをプリントを使用してしまう
漫画やアニメのキャラクター、企業のロゴの使用は著作権の侵害です。キャラクターやロゴに知名度がなかったとしても、既に発表されている作品やロゴであれば著作権が発生しています。
歌詞の一部を使用してしまう
音楽は楽曲事体に著作権があるだけでなく、歌詞にも著作権があります。そのため、ついうっかり好きな楽曲の歌詞をTシャツにプリントしてしまった場合であっても、著作権の侵害にあたるので注意が必要です。歌詞の著作権は邦楽だけでなく洋楽も同様です。
音楽の著作権は楽曲、歌詞だけでなく楽譜、CDジャケット(デザイン、イラスト、写真)にも認められます。(※)そのため、アルバムジャケットをTシャツにプリントすることも著作権の侵害にあたってしまうので注意しましょう。
※出典:一般社団法人日本レコード協会.「音楽利用について Q&A集」
https://www.riaj.or.jp/f/leg/copyright/music/qa_internet.html
(入手日付2023-04-21)
SNSにアップされた写真を使用する
SNSで見つけたお気に入りの写真を使用するのも著作権の侵害です。写真の著作権は撮影した人にあります。そのため、権利者以外は使用できません。
一般の人が撮影した写真であっても著作権は認められるため、有名かどうか、人気かどうかに関わらず著作物には著作権は認められることを理解しておきましょう。
漫画や映画のパロディを使用する
漫画のキャラクターや映画のワンシーンそのものを使用するのではなく、パロディとして使用するケースがあります。パロディが著作権侵害にあたるかは、過去に最高裁で争われたほど線引きが難しいです。(※)
しかし、パロディであっても著作権の侵害にあたってしまう可能性があるため、オリジナルTシャツへのプリントは避けるのが無難でしょう。
※出典:最高裁判所.「裁判例結果詳細」
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=53283
(入手日付2023-04-21)
フリー素材を使用する
インターネット上にはフリー素材として、さまざまな画像やイラストが発表されています。このようなフリー素材であっても著作権が認められるケースがあるので、オリジナルTシャツへの使用は控えましょう。
フリー素材は、著作権フリーと一度の使用料だけで何度でも使用できるロイヤリティフリーがあります。著作権フリーであっても、自由に使用できるのは利用規約の範囲内です。利用規約の範囲を超えた使用は、著作権の侵害にあたってしまいます。
オリジナルTシャツを作るなら肖像権にも注意
オリジナルTシャツを作るなら著作権だけでなく、肖像権にも注意を払いましょう。肖像権とは、人から勝手に写真撮影されたりその写真を無断で公表されたり、利用されたりといったことを主張できる権利です。(※)
肖像権には、人格権の一部と財産権の2種類があります。人格権の一部としての肖像権は、有名人以外にも一般の人も対象です。そのため、友人や知人の写真を無断で撮影して、それをオリジナルTシャツに使用することは肖像権を違反する可能性があります。
肖像権を侵害してしまうと、損害賠償を請求されるかもしれません。友人や知人の写真をオリジナルTシャツに使用する場合は、必ず許可を得ておきましょう。
※出典:公益財団法人 関西消費者協会.「肖像権・プライバシー権」
http://kanshokyo.jp/highschool/wrd_mtl/word/wd32zknx.html
(入手日付2023-04-21)
肖像権は似顔絵にも適用される可能性がある
肖像権は。写真だけではなく似顔絵にも適用される可能性があります。また、有名人の似顔絵となると、財産権としての肖像権も侵害してしまうかもしれません。そのため、似顔絵であってもオリジナルTシャツに使用する場合は、相手の許可をとった上でプリントしましょう。
著作権を侵害せずにオリジナルTシャツを作る方法
著作権の権利者からの使用の許諾を得れば、オリジナルTシャツにプリントできます。使用の許諾を得られなかったのであれば、利用規約に注意してフリー素材を使用するということが可能です。
他にも、著作権を侵害せずにオリジナルTシャツを作成する方法はあります。
許可をとった上で友人や知人の写真・似顔絵を使用する
無許可で友人や知人の写真、似顔絵をオリジナルTシャツに使用すると肖像権を侵害してしまいます。そのため、許可をとることで友人や知人の写真、似顔絵を使用したオリジナルTシャツが作成可能です。
一から自分でデザインをする
一から自分でデザインして作成したオリジナルTシャツであれば、著作権を侵害することはありません。この際注意が必要なのが、他の著作物は参考までに留めましょう。参考にする分には著作権を侵害する可能性は低いです。
既存のテンプレートを使用する
オリジナルTシャツの作成を受け付けている業者の中には、デザインのテンプレートを用意しているケースがあります。このような既存のテンプレートであれば著作権を心配することなくオリジナルTシャツが作成可能です。
また、デザインテンプレート以外にも、著作権を気にせず使用できるワンポイントマークのテンプレートを用意している業者もあります。
自分が作ったオリジナルTシャツにも著作権は存在する
著作権は有名、無名を問わず全ての著作物に認められる権利です。そのため、自分が作ったオリジナルTシャツであっても著作権が認められる可能性があります。著作権が認められる世界で唯一のオリジナルTシャツを作って、自分だけのオシャレを楽しみましょう。
まとめ
著作権は小説や音楽、映画などの著作物や、創作した著作者を守る権利です。そのため、著作権を侵害してしまうと罰則や損害賠償が科せられる可能性があります。
著作権を理解した上でオリジナルTシャツを作ろう
オリジナルTシャツを作る際は、好きなキャラクターを使用する、映画のワンシーンを使用するなどは著作権違反に該当することが考えられます。オリジナルTシャツを作成する上では、著作権を理解しておきましょう。
著作権を侵害せずにオリジナルTシャツを作るには、アイデアを自分で考える必要があるため時間がかかってしまうもしれません。自分で進めるには時間がない、そもそもテーマは決まらないといった場合は、専門業者が用意するテンプレートを活用しましょう。
クラTジャパンでは、たっぷり5,000種類以上のデザインテンプレートをご用意しています。
また、ワンポイントマークのテンプレートも用意しているので、オリジナルTシャツを作りたいけど著作権が心配という方はぜひご覧ください。
お気に入りのデザインでオリジナルTシャツを作ろう
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