通販サイトを利用して洋服を購入したことがある方の中には、届いた商品を試着したらサイズが合っていなかったという苦い経験をした方もいるのではないでしょうか。
商品画像を確認した際にサイズ感や自分の体に合うか判断が難しい場合は、身幅や着丈・肩幅・袖丈・首回りなどの測り方を把握しておくとよいです。
そこでこの記事では、身幅の基礎知識や身幅と間違えやすい「胸囲」との違いに加えて、洋服を購入する際に知っておくと便利なサイズについて解説します。
目次
1. 身幅とは?どこのサイズ?
身幅(みはば)とは、サイズ表記に用いられる用語の一つで、服を平らに置いたときに、左脇の下(袖の付け根下)から右脇の下までを直線で測った長さのことを指します。「身巾(みはば)」と漢字で表記される場合もあります。身幅は洋服の「横の長さ」を示す寸法で、特にTシャツやシャツ、パーカーなど、トップスのサイズ選びに欠かせない指標です。
サイズ表に記載されている「身幅」を参考にすることで、実際に着用したときのフィット感をイメージしやすくなります。たとえば、ぴったりと着たい場合は体の実寸に近い身幅を選び、ちょうどいいサイズで着たい場合は、身幅に3~5cm程度の余裕をもたせるとよいでしょう。身幅が小さいと窮屈に感じたり、動きにくくなる場合があるため注意が必要です。
身幅は英語では「Body Width」や「Width」と表記されることが多く、ネット通販などで海外ブランドを購入する際にも役立ちます。サイズ選びで失敗しないためには、まず「身幅」という言葉の意味と測り方を理解しておくことが大切です。
2. 身幅と胸囲の違い
身幅と同じ箇所のサイズを表す言葉には、胸囲があります。いずれも洋服の胸のサイズを表しますが、身幅が胸の幅を示す一方、胸囲は胸の周りを1周した長さを示します。身幅は前面もしくは背面のみの幅に相当するサイズのため、胸囲は身幅の約2倍と考えてもよいでしょう。
身幅は、未着用の状態や平置きにした状態の服のサイズ感がつかみやすい表記です。反対に、胸囲は実際に着たときのサイズ感が分かりやすくなります。
通販サイトや服のタグなどのサイズには、身幅と胸囲のどちらか一方のみが記載されることがほとんどです。表記は特に統一されておらず、通販サイトやお店によって身幅表記か胸囲表記か異なります。ネット通販など試着できない方法で洋服を探す場合は、身幅・胸囲のどちらも知っていると、洋服が探しやすくなるでしょう。
3. 身幅の測り方
サイズを測定する際は、基本的に持っている洋服か実際に体のサイズを測ることで、自分に合った洋服のサイズ感が分かります。
以下では、洋服を測る方法と体のサイズを測る方法のどちらも紹介するため、自分のやりやすい方法で採寸してみましょう。
3-1. 洋服の身幅の測り方
洋服の身幅を測る場合、裁縫用のメジャーが必要です。ヌード寸を測る際にも使えるため、できれば1m以上のメジャーを用意しましょう。
身幅は次の手順で採寸します。
1 | 洋服を平らな場所に広げる |
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2 | 片袖の付け根の下から、もう一方までの直線距離を測る |
洋服は、できるかぎり凹凸がなく硬い場所で、平らな状態にするのがポイントです。特に脇の部分はシワが寄りやすいため、丁寧にシワを伸ばしましょう。シワがひどい場合は、測る前にアイロンをかけるのもおすすめです。
3-2. ヌード寸の身幅の測り方
ヌード寸は、着る人の体のサイズを表す言葉です。身幅をヌード寸から知りたいときは、胸囲を測ります。用意するものは洋服の身幅を測る場合と同じく、1m以上の裁縫用メジャーに加え、自分で測る場合は全身鏡があると便利です。
ヌード寸で胸囲を測る方法は次の通りです。
1 | 腕の力を抜いておろし、自然な姿勢で直立する |
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2 | 男性は両脇の付け根を通るように、女性はバストトップを通るように、水平にメジャーを回す |
胸囲を測る場合、男女でメジャーを通す場所が異なる点に注意してください。また、自然な立ち姿のほうがサイズを正確に測れるため、できれば誰かに採寸をお願いするとよいでしょう。
脇の付け根の位置が不明確で身幅が採寸しにくい場合は、「胸囲÷2」をすれば身幅を算出することが可能です。
4. アイテム別の身幅の測り方
身幅の重要性と測り方が分かったところで、アイテムごとにどのように測ればよいのか気になる方も多いでしょう。ここからは、アイテムごとの特徴に合わせた身幅の測定方法を紹介します。
4-1. シャツ
シャツの身幅は、左脇の付け根から右脇の付け根までを直線で測った長さのことを指します。正確に測るには、シャツをシワのないよう平らな場所に置き、両脇下の縫い目から縫い目までをまっすぐ測定しましょう。シャツは特にシワになりやすいため、できれば軽くアイロンをかけてから測るのがおすすめです。
身幅は着用時のフィット感に大きく関わるため、サイズ選びでは非常に重要な項目です。シャツの場合、大きすぎるとビジネスシーンではだらしない印象を与えかねないため、適切なサイズ感が求められます。身幅だけでなく着丈や肩幅、襟周りなども併せてチェックすることで、より自分に合った一着を選ぶことができます。
4-2. スーツ・ジャケット
スーツやジャケットの身幅は、着こなしの印象やシルエットに大きな影響を与える重要な要素です。採寸方法は、平らな場所にジャケットを広げ、左脇の下から右脇の下までの直線距離を測定します。身幅が小さすぎると襟元が胸に沿わず浮いてしまい、V字ラインが崩れて不自然なU字型になり、腕も動かしづらくなり着心地にも支障が出るでしょう。
一方で、身幅が大きすぎると生地が余ってダボつき、縦ジワが目立ちやすくなり、頼りない印象を与えてしまいます。サイズが合っているかを判断する目安として、前ボタンを留めた状態で「襟が胸板に沿って滑らかなカーブを描いているか」「こぶし1個分の余裕があるか」をチェックしましょう。
4-3. アウター・コート・ダウン
冬場に活躍するコートやダウンなどのアウター類は、インナーとの重ね着を前提に選ぶことが重要です。測定する際は、コートやダウンを平らな場所に置き、両脇下の縫い目を結ぶ直線距離を測りましょう。
アウター類は、自分の身幅よりも狭いものを選ぶと前が閉まらなかったり、動きづらくなったりすることがあります。身幅が広すぎると、シルエットが崩れて太って見えることもあるため、見た目と機能性のバランスが大切です。
きれいめに見せたいならジャストに近いサイズ、ラフに着たいならややゆとりのある身幅を選ぶとよいでしょう。用途に合わせて、機能性と見た目のバランスを考えることがアウター選びのコツです。
4-4. ワンピース
ワンピースの身幅も、左右の袖付け下を直線で結んだ長さで測ります。平らな場所にワンピースを置き、脇の下にあたる部分の縫い目から縫い目までをまっすぐに測定しましょう。身幅は着心地やシルエットを左右する重要なサイズで、特にワンピースは一枚でコーディネートが決まるため、フィット感が非常に大切です。シャツワンピースやキャミワンピ、タイトワンピース、ドレスなどさまざまなデザインがありますが、測定位置は基本的に同じです。
ただし、フィット感の強いタイトワンピースでは胸の膨らみに合わせて測ることもあります。サイズ選びでは、身幅の他にも着丈や肩幅、袖丈、ヒールの有無も考慮すると失敗しにくくなります。素材によって伸縮性や着用感も異なるため、手持ちのワンピースと比較しながら、着たいシーンに合った身幅を選ぶことがポイントです。
4-5. パーカー
パーカーの身幅は、平らな場所にパーカーを広げ、左脇の付け根から右脇の付け根までを直線で測ります。この「身幅」は、着用時のフィット感を決める重要な指標です。特にジャケットのインナーとして使う場合や、すっきりとした印象に見せたい場合には、ジャストサイズのパーカーを選ぶのが基本です。
ただし、身幅が体にぴったりすぎると動きづらく、窮屈に感じることもあるため、自身の体型に少し余裕を持たせるのがポイントです。また、パーカーの着丈も確認しておくとバランスのよいコーディネートにつながります。着丈を測るときは、フードを含めず、フードの付け根部分から裾までを直線で測りましょう。
4-6. ニット・Tシャツ・カットソー
Tシャツやニットの身幅は、左袖の付け根から右袖の付け根までを直線で測りましょう。服を平らに広げて、両脇下の縫い目から縫い目までをまっすぐに測るのが正しい方法です。身幅は、着たときのフィット感や全体の印象に大きく影響するため、Tシャツ選びの中でも特に重要なポイントです。
たとえば、身幅が小さすぎると窮屈に感じたり、大きすぎるとだらしない印象になったりすることもあります。また、Tシャツやニットは生地の厚さや伸縮性によって着心地が変わります。厚手のものはピタッとしすぎると動きづらくなるため、2~5cm程度のゆとりがある身幅を選ぶと快適です。見た目も着心地も良くするためには、身幅の測定と確認を丁寧に行い、自分に合ったバランスのよいサイズを選ぶことが大切です。
5. 身幅以外でサイズを知っておくべき箇所
洋服選びをする際は、サイズ感の合った洋服を着用すれば自然におしゃれ感を演出できます。そのため、洋服のサイズが自分の体に合っているかを知ることが大切です。
ここでは、フィットする洋服を選ぶために、身幅以外でサイズを知っておくべき箇所について解説します。
5-1. 着丈
身幅が洋服の胴の横幅を表すなら、着丈(きたけ)は縦の長さを表す言葉です。
着丈はアイテムによって測る場所が異なります。Tシャツ・カットソー・パーカーなどの洋服は、首元のリブを除いた背面の首の付け根から裾まで測ります。タンクトップやキャミソールは肩紐の先端から裾まで測るため、着丈と区別して着丈ではなく総丈と表記することも珍しくありません。
着丈と同じく、洋服の縦の長さを表す言葉には身丈があります。着丈との違いは、リブを含む首の横から裾までの長さを前面から測る点です。基本的に身丈のほうが、着丈より若干長くなります。リブなどのサイズによっては、着丈と身丈が大きく異なる場合もあるため注意しましょう。
5-2. 肩幅
肩幅は、両肩の付け根同士の長さを直線距離で測ります。身幅も肩幅も両袖の付け根を基準に測りますが、肩幅を測る場合は袖の付け根の上(肩側)を、身幅は下(脇側)を基準にします。
洋服のアウトラインの印象は肩幅のサイズ感に大きく影響されるため、特にTシャツのようにシンプルな形の洋服は身幅だけでなく肩幅のサイズ感にも気を配りましょう。
5-3. 袖丈
袖丈(そでたけ)は、洋服の袖の長さを表す言葉で、袖山から袖口までの長さを直線距離で測ります。袖山は袖の付け根の上部分、袖口は手首が出る箇所です。
袖丈を計るときは、袖山のもっとも高い位置を基準にします。袖口までの直線距離を測る必要があるため、肘はまっすぐ伸ばしましょう。
袖丈と同様、裄丈(ゆきたけ)も袖の長さにかかわる言葉です。裄丈は、袖丈に首の付け根中央から肩の付け根までを足した長さになるため、混同しないように注意しましょう。
5-4. 首回り
首回りは、洋服のえりや首元の周囲のサイズです。ヌード寸と照らし合わせると、おおよそ喉仏のすぐ下と一致する箇所になります。
ワイシャツには首回りが表記されていることが多いものの、Tシャツなどには表記がない場合がほとんどです。ワイシャツ選びで首回りを参考にする場合、実際のヌード寸より2~3cmゆとりのあるサイズを選ぶのが一般的です。
6. Tシャツを購入するときの身幅のサイズ感
自分の体とほしい服の身幅を確認するだけでは、本当にサイズが合うのか分かりにくいケースもあります。その場合は、手持ちのTシャツなど実物で身幅を確認し、比較するとイメージしやすいでしょう。
また、Tシャツを着こなすためのサイズ感には、次の2種類があります。
6-1. ジャストサイズ
ジャストサイズのTシャツは、動きやすさ重視の選び方がおすすめです。ジャストサイズと言っても、体のサイズと同じ身幅のTシャツでは動きにくく窮屈な着心地になります。自分のヌード寸の身幅より2~3cmほど大きめの身幅で選ぶとよいでしょう。
試着できる場合は、着た状態で腕を上下左右に動かすと動きやすさを確認できます。また、ウエストまわりのシルエットが気になる場合は、同じ身幅でもスリット入りのシャツであればゆったりとしたシルエットに映ります。
6-2. オーバーサイズ
オーバーサイズのシャツは、ゆったりしているため動きにくくなることはないものの、身幅が広ければよいわけではありません。オーバーサイズのTシャツは、5cm程度大きめの身幅にすると見栄えよく着こなせます。
また、オーバーサイズの場合は、着丈とのバランスを重視して選ぶことが大切です。身幅が広い上に着丈まで長くなると、コーディネートに締まりがなくなる傾向にあります。オーバーサイズのTシャツは、ジャストサイズの着丈を選ぶのがおすすめです。
生地面積も広いため、大人っぽい印象をつくりたい場合は、カラフルすぎるデザインよりモノトーンなどの落ち着いた色味を選ぶと、コーディネートが引き締まります。
7. 通販で自分にぴったりな服のサイズを選ぶポイント
オンラインストアなどインターネット通販では試着ができないため、サイズ選びに不安を感じる方も多いでしょう。そこで、ここからは通販でイメージ通りの服のサイズを選ぶための具体的なポイントを分かりやすく紹介します。
7-1. 着用モデルの体型や体つきを参考にする
通販で服を購入する際、サイズ表だけでは着用イメージがつかみにくいことがあります。そこで参考にしたいのが、着用モデルの体型や体つきです。多くのオンラインショップではモデルが商品を実際に着た写真が掲載されており、身長や体重などの情報が一緒に記載されている場合もあります。着用モデルと自分の体型を比較することで、サイズ感を立体的にイメージしやすくなるでしょう。
また、スタッフが実際に着用した感想やサイズの選び方をコメントしているショップもあり、リアルな着心地を把握するのに役立ちます。
7-2. 普段着ている服のサイズを参考にする
通販でサイズ選びに失敗しないためには、普段着ている服を採寸して参考にするのが有効です。中でも、着心地が良かった服や、スタイルがきれいに見えると感じた服は、自分に合ったサイズのヒントになります。身幅・着丈・肩幅といったポイントを測って、購入予定の商品のサイズ表と比較してみましょう。
また、過去に「窮屈だった」「だらしなく見えた」と感じた服も貴重な判断材料です。身幅が狭すぎたり、着丈が長すぎたりした経験は、今後のサイズ選びに生かすことができます。自身の体を測るのが難しい場合でも、実際に着ている服との比較を通じて、より精度の高いサイズ選びができるようになります。
7-3. 商品のレビューを参考にする
通販で洋服を購入する際、サイズ選びで迷ったときには商品レビューを参考にするのがおすすめです。多くのオンラインショップでは、実際に商品を購入した人の感想が掲載されており、「思ったより小さめだった」「生地が厚めでしっかりしていた」など、リアルな情報を知ることができます。中には購入者の身長や体重が記載されているレビューもあり、自分の体型と比較しやすくなります。
また、着心地や素材感、コーディネート例など、写真付きで投稿しているケースもあるため、商品ページの画像だけでは分かりにくい情報も補えるでしょう。
まとめ
身幅とは、洋服の左脇から右脇までの長さを直線で測ったサイズです。身幅以外にも、着丈や肩幅、袖丈、首回りといった箇所のサイズを理解しておくと、洋服を購入する際にサイズで失敗する可能性を軽減できます。
コーディネートの好みには個人差がありますが、トレンドを取り入れつつジャストサイズやオーバーサイズなど、自由にファッションを楽しんでみてはいかがでしょうか。洋服のサイズや自分自身に似合うサイズ感が分かれば、コーディネートの幅も広がり、洋服選びを一層楽しめるようになります。
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