この記事では、エコバッグの基本的な作り方やアレンジの仕方、エコバッグに適した生地の特徴などをご紹介します。
基本のエコバッグの作り方
まずは、基本となるエコバッグの作り方を紹介します。まず、毎日の買い物などに使うエコバッグは、横マチ付きを基本とするとよいでしょう。横マチ付きのエコバッグはものが多く入る上、たたんでカバンなどに仕舞いやすいです。
なお、横マチ付きのエコバッグを作るときの素材は、薄手でかさばりにくいコットンやリネンを選ぶのがおすすめです。また、買い物の量が多めの方は、丈夫なオックス生地やローン生地を選ぶとよいでしょう。素材と生地について詳しくは後述します。
生地をサイズに合わせて裁断する
「縦45.5cm×横30cm×横マチ12cm」のエコバッグを作る場合、各パーツのサイズは以下のとおりです。なお、生地は「縦70cm×布巾108cm」のものを準備しましょう。裁断する際は切る場所を間違えないように注意してください。
部位 サイズ 枚数
本体 縦50cm×横45cm 2枚
持ち手 縦8cm×横55cm 2枚
ポケット 縦30cm×横17cm 1枚
1. ポケットを作る
まずはポケットから作ります。ポケットは目立つ部分なので、きれいに仕上げましょう。
1. ポケット用生地の上の縁を1cm幅で折り、もう一度1cm幅で折り三つ折りにする
2. 折った部分にアイロンをかけてステッチする(この部分がポケット口になる)
3. 生地を中表にして半分に折りたたみ、布端はポケット口を4cm下げる
4. 両脇を縫い代1cmで縫い合わせる
5. 両脇の縫い代を割り、5mm幅さらに5mm幅で折って三つ折りにして、アイロンで折り目を付けステッチする
6. 表に返して角を目打ちで整えたらポケットの完成
2. 持ち手を作る
次は持ち手を作りましょう。持ち手用パーツの長辺を内側に1cmずつ折り、アイロンをかけてさらに半分に折り、再びアイロンをかけてステッチします。これで持ち手が完成です。
3. バッグ本体を縫い合わせる
バッグ本体を縫い合わせる際は、以下の手順で行います。
1. バッグ本体の生地の両サイドを、袋縫いにして縫い合わせる(縫う際は、縫い代を5mmほど取っておく)
2. 中表に返してアイロンをかけたら、両脇を縫い代1cmで縫い合わせる
3. 次に横マチを作るため、本体を表に返し縫い目から6cmずつM字型に折る。アイロンで折り目を付ける
4. 横マチを折った状態で、縫い代5mmで底を袋縫いで縫い合わせる
5. 中表に返してアイロンをかけたら、底を縫い代1cmで縫い合わせる(横マチの折ってある部分はどちらに倒してもよい)
なお、「袋縫い」とは、生地の縫い代の端を内側に織り込んで縫う方法です。生地をひっくり返してもう一度縫うので、丈夫でほつれにくくなります。
4. ポケットと持ち手を縫い付ける
バッグ本体の縫い合わせが終わったら、次はポケットと持ち手を縫い付けましょう。
1. エコバッグ本体を表側にして、上部の縁の真ん中にポケットを合わせて、袋口のある面と本体表を合わせ、まち針で仮止めする
2. 持ち手を4カ所本体に仮止めして、端にステッチをかけポケットと持ち手を本体に縫い付ける
3. 袋口を1cm折り、さらに2cm折ってアイロンをかける
4. 袋口付近の縫い代を斜めに折って、反対側に倒す
5. 三つ折りした袋口にステッチをかける(ポケットと持ち手を巻き込まないように注意)
6. 持ち手を上に起こして補強のステッチをかける
中身が傾きにくいお弁当用のエコバッグの作り方
お弁当を入れるエコバッグは、中身が傾かないよう工夫するのがおすすめです。サイズは市販のコンビニ弁当などが入る大きさで、マチと幅を広く取り、バランスを取りやすくするとよいでしょう。
生地は基本のエコバッグと同様、たたんで持ち歩きしやすいよう、コットンやリネン素材のオックス生地がおすすめです。
生地をサイズに合わせて裁断する
用意する布の大きさの例を紹介します。「縦26cm×横26cm×横マチ16cm」のエコバッグを作る場合、各パーツのサイズは以下のとおりです。なお、生地は「縦35cm×横60cm」のものを準備しましょう。
部位 サイズ 枚数
本体 縦29cm×横45cm 2枚
持ち手 縦32cm×横8cm 2枚
具体的な作り方は、以下のとおりです。
1. 本体を縫う
まずは本体を縫うことから始めましょう。
1. コンビニ弁当用エコバッグの両端を、袋縫いで縫い合わせる(縫い代として5mmほど残しておく)
2. 中表に返してアイロンをかけ、両端を縫い代1cmで縫い合わせる
3. 縫い目から8cmの部分の上下左右両面(合計8カ所)に印を付ける
4. 本体を表に返したら、両側の縫い目が谷、印を付けたところが山になるようにM字型に折り、アイロンでしっかり折り目を付けて底を袋縫いする
5. 横マチを折ったまま、縫い代として5mmを残して底を縫い合わせる
6. 中表に返してアイロンをかけたら、底の部分を縫い代1cmで縫い合わせる
2. 持ち手を作る
両端を5mm折り、さらに5mm追ってから三つ折りにしてステッチし、両端だけを半分に折って持ち手の中心に折り目を付けます。
3. 本体に持ち手を縫い付ける
1. 本体を表に返し、先ほど本体に印を付けた、山になっている部分と持ち手の中心を合わせ、縫い付けて仮止めする
2. 袋口を5mm折り、さらに1cm折って三つ折りにしてアイロンをかけ、ステッチする
3. 持ち手に補強のステッチを施す
3.のステッチでは、しっかりと返し縫いをするのがポイントです。これでコンビニ弁当用マイバッグの完成です。
風呂敷を結んで作るエコバッグ
最後に、風呂敷を結ぶだけで作れるエコバッグをご紹介します。基本の結び方さえ覚えておけば、風呂敷の大きさや柄によって使い分けができて便利です。用意するのは風呂敷1枚だけで、作り方もシンプル。
1. 風呂敷を裏返して広げ、隣合う両端を固結びして輪を作り、持ち手にする
2. 2つ作った持ち手を合わせて持つ
なお、重いものを入れるときなどは、持ち手を交差させてから持つとよいでしょう。
エコバッグに適した生地
エコバッグに使う生地は、どのように選べばよいでしょうか。
まず生地に使われる素材には、大きく分けると天然繊維と化学繊維の2種類があります。素材や生地によってエコバッグの見た目や使いやすさが変わるため、それぞれどのような生地なのか特徴を押さえておくことが大切です。
ここでは、エコバッグに向いている素材と生地の織り方について解説した上で、エコバッグに合う生地を紹介します。
天然繊維
天然繊維は、綿や麻、羊毛など天然由来のものを利用した繊維で、植物繊維と動物繊維に大別されます。ここでは、コットン、リネン、シルクについて解説します。
コットン(綿)
コットンは、天然繊維の一種で、植物繊維に当たる素材です。吸水性に優れ肌触りも柔らかです。熱に強く、アイロンをかけても問題のない素材ですが、吸水性が高いために、カビが生えやすいというデメリットがあります。変色しやすいのもコットンの弱点なので、保管する際は直射日光を避けて、風通しの良い場所に置きましょう。
リネン(麻)
リネンも天然繊維の中の植物繊維です。柔らかい肌触りで繊維の中に空洞があるため、通気性が高いのが特徴です。吸湿性に優れ速乾性がありますが、縮みやすいという欠点があります。
シルク(絹)
シルクは蚕の繭から作る動物繊維です。きめが細かく肌触りが良く、保湿性・保温性・発散性に優れています。独特の光沢があり、夏は涼しく冬は暖かいという特徴があるものの、紫外線を吸収しやすく、変色することがある点はデメリットです。
化学繊維
自然由来の天然繊維に対して、化学繊維は人工的に合成された繊維です。原料・製造方法によって、合成繊維・半合成繊維・再生繊維に分けられます。ここでは、化学繊維のナイロン、ポリエステルについて解説します。
ナイロン
ナイロンは、石油を主原料とした合成繊維で、摩擦に強い素材です。伸縮性に優れ、シワになりにくく、カビや害虫の被害が少ないのが特徴です。燃えにくい反面、熱に弱く吸湿性が低いという欠点もあります。しかし、ナイロンの生地で作ると、水濡れに強いバッグになるので、汗で濡れたシャツや雨に濡れた服などを入れることも可能です。ナイロン製なら、水に強いだけでなく水をはじくこともできるので、冷たい飲み物などを入れるのにも適しています。
ポリエステル
ポリエステルは合成繊維です。比較的多く出回っている化学繊維で、あらゆる分野で使われています。丈夫で熱に強く、耐久性の高い素材です。ただし、吸湿性が低く、静電気が発生しやすいというデメリットもあります。ポリエステルもナイロンと同様に水に強い素材なので、汗で濡れた服や冷たい飲み物を入れて持ち運ぶことが可能です。
ちなみに、綿とポリエステルを混紡した綿ポリもあります。綿は吸水性が高く通気性に優れ、肌触りが柔らかく耐熱性に優れているという特徴があります。ポリエステルはシワになりにくく、美しい光沢があり、色落ちしにくく洗濯しても縮まないという特徴を持っています。この2つを混紡した綿ポリは、両方の特性を兼ね備えています。
生地の織り方
生地の織り方について解説します。生地の織り方には「平織り」「綾織り」「繻子織り(しゅすおり)の3種類があります。これが生地の三原組織と呼ばれるものです。
平織り
縦糸(経糸)と横糸(緯糸)が、1本ずつ上下に交差する織り方が平織りです。平織りの代表的な生地に、ブロードやオックス、ローン、キャンバス(帆布)などがあります。
綾織り
数本の縦糸に対して、1本の横糸の組み合わせで織るのが綾織りです。例えば、綾織り生地の代表例であるデニムの場合は、縦糸3本に横糸1本で織られています。また、織り目が斜めになっているのも綾織り生地の特徴です。
繻子織り
繻子織りは、縦糸・横糸ともに5本ずつで織られた生地です。表面には縦糸か横糸のどちらかしか見えないのが、繻子織りの特徴です。繻子織りの代表的な生地に、サテンがあります。
エコバッグに合う生地
エコバッグを作るのに適した生地を、いくつかご紹介しましょう。
オックス
平織りの生地で、別名「斜子(ななこ)織り」とも呼ばれています。平織りなので、布の裏表をあまり気にせずに使えるのが特徴です。丈夫な生地で、通気性が高いため、エコバッグに向いています。オックス生地はデザインが豊富で選びやすく、加工しやすいので初心者でも扱いやすい生地です。ナイロンオックス生地やポリエステルオックス生地を使うと、防水性のあるエコバッグが作れます。
ローン
ローンとは、細い糸で織られた薄い平織り生地のことです。通気性が良く、肌触りが滑らかで生地に適度なハリとコシがあります。薄くて軽い割に強度があるので、エコバッグに向いた生地と言えるでしょう。多くの色柄生地があるのもローンの特徴で、レースや刺繍をほどこした生地が人気です。
キャンバス(帆布)
太い糸で織られた丈夫な生地で、通気性に優れているので、エコバッグに向いています。もともとは麻で織られた生地でしたが、最近ではポリエステルを混紡した、水に強いキャンバスもあります。キャンバスは使うほどに柔らかさが増していき、色合いも少しずつ変化していくので、長く使うことで愛着を抱きやすいかもしれません。また、キャンバスは生地の厚さや色などが豊富にあるので、好みの生地を選びやすいでしょう。
まとめ
エコバッグの作り方はさまざま
エコバッグの作り方を紹介するとともに、エコバッグに適した素材・生地についても解説しました。エコバッグは用途によって、適した大きさや形状、素材・生地が異なります。手作りする場合は、基本の袋縫いから押さえておくとよいでしょう。
なお、縫い物が苦手な場合や、同じエコバッグを複数作りたい場合は、業者に作成を依頼するのも一つの方法です。中でもオリジナルプリントや刺繍に対応している業者であれば、個性的なエコバッグの作成を依頼できます。
CLAT-JAPAN(クラTジャパン)では、オリジナルプリントのエコバッグやトートバッグを作成しています。イベント用のノベルティなど、大量のご注文にも対応可能です。オリジナルエコバッグの作成を依頼できる業者をお探しの際は、気軽にお問い合わせください。
株式会社フォーカス
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